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体調管理・医療情報

体調管理は大丈夫?

担当:三橋敏武(東京陸上競技協会医事委員長)

第3回 大会に備えて

大会直前の体調管理

大会まであとわずかとなりました。充分な練習はできているでしょうか。

過度のトレーニングに注意

1.充分走り込めた方へ
レース前は、今までのトレーニングの積み重ねにより、その効果が少しずつ表れてくる時です。レースに向けて調子が上がってくるのが体感できる時期だと思います。しかし、調子に乗って過度のトレーニングをすると、ケガをしたり、また体力を失いカゼをひきやすくなることもあります。大会当日にベストコンディションで臨めるように、少し控えるのもトレーニングのうちと考えてコンディション作りをしましょう。

2.あまり走り込めなかった方へ
練習不足だと思っても、帳尻あわせの走り込みは逆効果なので注意しましょう。特に大会直前は過労にならないようにし、疲れを残さないことが重要です。

3.特にレース前1週間は
この時期に体を追い込むのは得策とは言えません。新たなことに挑戦するのではなく、今までの練習の効果を維持するにとどめましょう。

用具の準備は余裕をもって

レースに必要な用具のリストアップをしましょう。新しいシューズで臨むのは禁物です。少し履きならした靴を使いましょう。天候は、雨や雪も想定したウェアの準備が必要です。雨や雪になれば当然気温は低くなります。3月の東京マラソンでは手袋は必需品かもしれません。また直前になってショップに買いに走るのは時間と体力を浪費します。数日前には準備が出来ているようにしましょう。

レース前日の練習

前日に頑張ったからといって、急に練習効果はあがりません。前日は、体力を消耗しない程度の練習にしましょう。各人によりますが、数kmのジョギングで軽めにすませるか、あるいは完全休養にするのもいいでしょう。

レース前日の行動

あまり活発に動き回るのは疲れるもとです。この日に仕事や用事を残さないようにしましょう。特に、一日中出歩く事は禁物です。マラソンのスタートは午前9時10分です。ゆとりを持って会場に入れるように、朝は早めに起きる必要があります。前夜は早めに休みましょう。

レース前日の休養

落ち着いた雰囲気でリラックスし、前日はたっぷり休養できるようにしましょう。読書、音楽など、自分にあったリラックスの方法で結構です。心を落ち着かせることが、レースへの集中力を生みます。
睡眠もたっぷりとりましょう。睡眠不足は危険です。なぜなら、睡眠不足は重大な故障の原因になる事があるからです。

レース当日

目覚めてから体が本格的に動けるようになるには4時間から6時間かかるといわれています。また、朝食も余裕をもって摂れるようにしましょう。

スタートまでにする10のこと

当日の朝、下記の項目について確認をお願いします。

スタート前のチェックリスト

(日本陸上競技連盟医事委員会作成)
安全にレースをはこぶために、レース当日の体調をスタート前にチェックしましょう。
下記項目(1~8)の中で、1つでもあてはまる項目があれば、レース参加を中止するか、慎重にレースに臨んでください。
特に1.と5.の症状がある方は、レース参加はやめましょう。

1. 熱がある、熱感がある。
2. 疲労感が残っている。
3. 昨夜の睡眠が十分にとれなかった。
4. レース前の食事や水分をきちんと摂れなかった。
5. かぜ症状(微熱、頭痛、のどの痛み、咳、鼻水)がある。
6. 胸や背中の不快感や痛みがある。動悸・息切れがある。
7. 腹痛、下痢がある。吐き気がある。
8. レース運びの見通しがたっていない。

レースに参加すると決めたら

9.服装、荷物を確認しましょう。

天候にあったウェア、備品を持ちましたか。いつも飲んでいる薬がある方は、きちんと飲みましょう。持参する薬があれば確認しておきましょう。

10.時間に余裕をもってスタートに向かいましょう。

当日は約38,000人のランナーが一箇所に集まります。移動や準備はいつもより時間がかかると思ってください。

最後に一言

上記の項目を遵守するには、当日や前日に準備しても間に合うものではありません。日頃からの積み重ねが大切です。つまり、マラソンレースはすでに準備の段階から始まっていたのです。どれだけ準備をしたかによって、その日のタイムはもう決まってしまっているのです。本番当日にスタートに立った時には、すでにもう勝負が決まっていることを肝に銘じておいてください。

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