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開催まであと
ランナーの方に向けたご案内です。
マラソン中にランナーが突然、心肺停止に陥る原因の多くは『心室細動』という不整脈によるものです。心室細動とは、心臓が痙攣したようにブルブルと震え、全身に血液を送ることができない心肺停止状態のことを言います。 この心室細動に最も効果がある処置が『AED』による電気ショックです。心室細動に対するAEDの効果は、電気ショックが1分遅れるごとに救命率が10%ずつ低下していくため、心室細動を起こして倒れた場合は一分一秒でも早く AEDで電気ショックを行う必要があります。今回はAEDの使用方法についてお伝えします。AEDという名前は知っていても、使い方までは自信がないという方は是非一度お読み頂ければと思います。
写真のAEDはふたを開けると電源が入ります。日本国内には電源ボタンを押すと電源が入るタイプのAEDもあります。電源を入れると音声アナウンスが流れますので、しっかりとアナウンスを聞いて、指示に従ってください。
袋に入っているAEDのパッドを取り出します。パッドは1セット2枚です。
・パッドを1枚ずつはがし、右肩と左脇腹にそれぞれ貼ります。
・患者の服をはだき、パッドは肌に直接貼ります。
・胸に汗をかいている場合はタオル等で拭いてからパッドを貼って下さい。
・パッドの貼った下には(金属類や貼り薬など)何もないようにして下さい。
・パッドを貼っている最中も救助者が複数人いれば、胸骨圧迫をできるだけ続けて下さい。
電図解析のアナウンス(AEDが「離れて下さい」と言ったら)が流れたら、写真のように離れ、さらに誰も患者の体に触れていないことを確認します。
「ショックが必要です。」とアナウンスが流れ、ショックボタンが光ったら、必ず患者に誰も触れていないことを確認してからショックボタンを押して下さい。
電気ショックを行った後、アナウンスに従い、すぐに胸骨圧迫を開始します。反応が出るまでは絶え間なく胸骨圧迫を行うようにします。また、AEDは繰り返し2分ごとにアナウンスが流れ、心臓の動きを解析し、必要があれば電気ショックを繰り返します。そのため、AEDの電源は付けたまま、パッドも貼ったままにしておいて下さい。
以上のように、AEDの使用方法は特に難しいことはありません。AEDの使い方は以下動画でもご覧いただけますので、是非ご覧ください。
東京マラソンではこれまで、心肺停止に陥ったランナーに対して、東京マラソンの救護スタッフが到着するよりも前に、近くを走っていたランナー、観客、交番の警察官等が心肺蘇生やAEDを迅速に実施し、見事に救命したケースがありました。東京マラソンではAEDを持った救護スタッフも巡回し、急病人が出たときはすぐに駆け付けますが、万が一、目の前でランナーが倒れた場合は救護スタッフが到着するまで、迅速に心肺蘇生法を行い、近くにAEDがあればすぐに使うようにして下さい。