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ランナーの方に向けたご案内です。
日本アンチ・ドーピング機構のデータによると、日本国内におけるドーピング検査件数は2020年度の1年間に約4,500件でした。選手自身のSNSなどで検査を受けたことが分かることもありますが、非常にまれです。ドーピング検査の実態を一般の方々が知る機会はほとんどありません。そこで、今回は「ドーピング検査をいつ、どこで、誰が受けているの?」という質問に答えます。
ドーピング検査には競技終了後に行われる競技会(時)検査と、競技会とは関係ないところで行われる競技会外検査があります。競技会外検査はいわゆる「抜き打ち検査」です。ドーピングコントロールオフィサー(DCO)と呼ばれる資格を有する検査員が、選手の練習場所に予告なしに訪れます。一定レベル以上の選手は、練習時間・場所を居場所情報として予め提出することが義務づけられています。DCOはこの情報に基づいて、予告なしに選手本人と会うことが出来ます。もし申告しておいた場所に本人がいなければ、罰則の対象となり得ます。ですから、選手は事前に申告していた情報と異なる場所に行くことになったら、直ちに居場所情報を更新しなくてはなりません。
次にどこでドーピング検査が実施されているかについてです。競技会検査の場合、競技会場内のドーピング検査専用の部屋で行われることが多いです。一方、競技会外検査は自宅、練習場、合宿場所、職場など、さまざまな場所で行われます。選手が居場所情報を提出する際に、5時から23時の間で検査に対応できる60分の時間枠を指定しなくてはいけません。指定した60分間にDCOが検査対象選手に出会うことが出来ない場合、検査未了という扱いになります。この検査未了が12ヶ月間に3回発生すると、意図的に検査を逃れたと見なされてアンチ・ドーピング規則違反が成立します。もちろん、指定した60分間に限らず検査が行われる可能性はあります。
では、最後に誰がドーピング検査を受けているかについてです。競技会検査の場合、メダリストのように上位入賞者を対象としていることが多いです。しかし、予選敗退した選手を対象としている場合もあります。団体競技では、ベンチ入りメンバーの中から抽選で検査対象選手を選ぶこともあります。一方、競技会外検査は一定レベル以上の選手を対象に行われます。登録検査対象者リスト/検査対象者リストというものがあって、このリストに載っている選手は上述の居場所情報を提出する義務があります。また、最近ではドーピングをしている疑いのある選手を集中的に検査するなど、さまざまな情報を駆使しているそうです。