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AbbottWMM - 2019 Bank of Americaシカゴマラソン 大会後レビュー

2019年10月17日

*オリジナルのリリースの正式言語は英語であり、この内容及び解釈については英語が優先となります。

マラソンレビュー: ブリジット・コスゲイが世界記録を大幅に更新

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ケニアのブリジット・コスゲイが2019 Bank of Americaシカゴマラソンで、13年に渡り破られることのなかったポーラ・ラドクリフの世界記録(2:15:25)を、2:14:04という素晴らしい記録で塗り替えました。
25歳のコスゲイは、2003年のロンドンでイギリス人のラドクリフが樹立した記録に挑戦すべく、ペースメーカーの男子選手2人とともにスタートしました。そして、5km地点に着く頃には、完全に独走態勢に入っていました。
9月にハーフマラソンの世界最高記録を出したアボット・ワールドマラソンメジャーズ現チャンピオンのコスゲイは、2018年のシカゴで自身が獲得した王座のタイトルを保持する準備ができているように見えました。そして4月のVirgin Moneyロンドンマラソンでも、順調に自己ベストを出し優勝を収めました。
しかしそれでも、こんなにも大幅な記録更新になることは、誰も予測できませんでした。
一時は予想フィニッシュタイムが2:12:00になるほどにペースが落ち、序盤でエネルギーを消費し過ぎたかのようにも見えたコスゲイでしたが、中間地点のタイムは1:07:00を記録しラドクリフの記録を上回るペースとなり、そのまま過酷なペースを維持してレース後半を走り抜けました。
2年前のロンドンで、メアリー・ケイタニーがラドクリフの世界記録に終わりを告げるかと思われましたが、イギリスの煮えたぎるような暑さの中、記録更新に足る高速ペースを維持することはできませんでした。
気温の低いミシガン湖の湖岸にスターたちが揃い、ケイタニーが達成できなかった偉業を同じケニアのコスゲイが達成するのを見届けることになりました。
ケイタニーは女子のみのレースにおいて2:17:01の世界記録を保持していますが、コスゲイのシカゴでのパフォーマンスを見ると、このタイトルもコスゲイのものになるのは時間の問題かもしれません。
新世界記録保持者のコスゲイに遅れること6分47秒、2:20:51でエチオピアのAbabel Yeshanehが2位に入りました。そして、2:20:55でゲレテ・ブルカが3位となりました。

コスゲイと同じケニアのローレンス・チェロノは、今年2度目となるスプリントフィニッシュでの優勝を収め、2019年の輝かしい活躍を続けるとともに、シリーズXIIIのシーズンを華々しくスタートさせました。
31歳のチェロノは、直近出場の6大会のうち5大会で優勝しており、特に、メジャー大会においては、僅差での優勝が習慣となりつつあります。
ケニアのバリンゴ出身のチェロノは、4月のボストンのボイルストンストリートで、レリサ・デシサと抜きつ抜かれつの接戦を繰り広げ、僅差でエチオピアのデシサを下し、ボストンマラソンでの初のタイトルを獲得しました。
そして数か月後のシカゴマラソンでチェロノは、Dejene Debelaとアセファ・メングストゥとともにコロンブス・ドライブに入る形となり、再びエチオピア選手との対戦を強いられることになりました。
3人の中で各段に小柄なチェロノですが、残り数メートル地点で他を引き離す加速を見せ、彼が最も格式の高い選手であることを証明しました。
予想より速いペースのレース展開により先頭を引っ張る選手たちが疲弊する中、2015年シカゴチャンピオンのディクソン・チュンバは力強い走りを見せていました。しかし、激しさを増す戦いに32歳のチュンバは付いて行けず、35km地点で他の4選手から完全に引き離されました。
残った4選手のうち、Debelaが最も力強い走りを見せ、次にトップ集団から脱落したのはケニアのビダン・カロキでした。トップの3人がルーズベルトロードにさしかかる頃ペースが少し落ちましたが、最後の左折の後にフィニッシュが視界に入るとチェロノが確実な判断でスパートをかけ、2:05:45で1位フィニッシュしました。
ディフェンディングチャンピオンのモハメド・ファラーにとって、1年前ファラーと恋に落ちたシカゴの街の朝は、厳しいものとなりました。15km地点を前に既に先頭集団から遅れを取り、8位に沈みました。

※日本人男子トップは、13位の大石港与選手でした。

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車いすマラソンレビュー: マニュエラ・シャーとダニエル・ロマンチュクが再び勝利

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マニュエラ・シャーとダニエル・ロマンチュクがアボット・ワールドマラソンメジャーズシリーズXIIIの開幕戦を制し、優勝タイトルを保持しました。
両者ともに今シリーズ初のボーナスポイントも獲得し、新シリーズを大勝利でスタートさせました。

ロマンチュクにとってシカゴは、1年前に自身初のAbbottWMM優勝を収め、栄光への道がスタートした場所です。シリーズXIIの優勝プレートを手にするまで4大会を制した彼は、今年、ライバルに挑戦される立場となり帰って来ました。
前半は多数の選手が集団で走っていましたが、中間地点を過ぎ21歳のロマンチュクが長い腕を使いトップギアに加速し、集団を引き離しました。
他の選手たちがコロンブス・ドライブに入りトップ3争いを繰り広げたのは、ロマンチュクがフィニッシュして3分以上が経過してからでした。エルンスト・バンダイクをかわしたデイビッド・ウィアーが2位に入りました。

そしてシャーは、更なる大差で優勝を収めました。スイスのシャーは独走を楽しみ、同じアメリカのアマンダ・マグロリーとの接戦を制し2位の座を掴んだタチアナ・マクファーデンに、実に4分14秒の差を付けて優勝しました。
シャーは、中間地点まで慎重にレースを進め、ライバルを引き離す瞬間を見極めていました。そして中間地点を過ぎると徐々に加速し、その後は得意のダウンヒルのスピードで差を広げて行きました。
その後独走態勢に入った34歳のシャーに追い付ける選手はおらず、AbbottWMMにおける8大会連続の勝利を収めました。

シカゴのタイトルを保持した2人は、次のTCSニューヨークシティマラソンでも優勝すべく挑みます。シャーは、3度目のニューヨーク優勝に向け全力で挑んでいきます。

※車いす男子レースの日本選手の結果は、5位:渡辺勝、8位:洞ノ上浩太、9位:西田宗城、10位:吉田 竜太、でした。

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