*オリジナルのリリースの正式言語は英語であり、この内容及び解釈については英語が優先となります。
女子エリートレース: ブリジット・コスゲイが雨のロンドンで王座を維持
第40回大会となったロンドンマラソンで、ブリジット・コスゲイが圧倒的強さで優勝タイトルを維持しました。
AbbottWMMシリーズ現チャンピオンのコスゲイは、イギリスの首都ロンドンの周回コースでエリートのみで開催されたレースにおいて、圧倒的なパフォーマンスで女子マラソン界での自身の優位を確固たるものにしました。
レース序盤から、現世界チャンピオンのルース・チェプンゲティッチによる未知数のプレッシャーとの戦いを強いられるコスゲイ。そして、雨に濡れるセント・ジェームズ・パークの1.3マイルの周回コースで繰り広げられたレースは、すぐに2人の一騎打ちとなりました。
他の選手を引き離し中間地点を過ぎると、2人はペースを落とし、その後つばぜり合いが続く中、チェプンゲティッチが頻繁に世界記録保持者のコスゲイを試すような動きを見せました。しかしコスゲイは、ライバルが差を広げようとするたびにそれに対応してみせました。
20マイル表示がコスゲイにとって決定的な動きに出る合図となり、チェプンゲティッチはこれに対応できませんでした。25歳のコスゲイは独走のまま2:18:58でフィニッシュし、ロンドンの2度目のタイトルと、AbbottWMMシリーズXIIIにおける50ポイントを獲得しました。
彼女の後ろには、朝の薄闇の中で輝きを放つ選手がいました。レースの大部分を一人で走っていたアメリカ人選手のサラ・ホールが、力強い走りでエチオピアのアシェテ・ベケレを追い抜き3位に躍り出たのです。
37歳のホールには、遠く前方を走るチェプンゲティッチに追い付くチャンスは無さそうに見えましたが、最終周でバードケージ・ウォークのストレートを走る頃にはホールの方が余力を残しており、ケニアのチェプンゲティッチのリードをどんどん縮めて行きました。
そしてホールは、ラストの直線で再度加速し猛スピードでフィニッシュし、2位という素晴らしい結果を残しました。
原文はこちら
男子エリートレース: シュラ・キタタがエリウド・キプチョゲの王冠を奪取
シュラ・キタタが素晴らしい走りを見せ、エリウド・キプチョゲの王座を奪いVirgin Moneyロンドンマラソンで優勝を収めました。
大会前は、キプチョゲとエチオピアの英雄ケネニサ・ベケレの直接対決の話題で持ち切りでしたが、2019年ベルリン優勝者のベケレの欠場が大会前々日に決定し、AbbottWMM大会で再びキプチョゲが優勝するのは確実かに見えました。
雨が降りしきる中、けん制し合ってか控えめなペースでレースが進み、いつもならライバルを引き離すべくスピードアップを仕掛けるキプチョゲでしたが、今回は様子が違いました。
感染症対策された隔離エリアの周回コースを走り続ける先頭集団の全6選手が優勝を狙える位置をキープし、フィニッシュまで残り数マイルという地点で信じられないことが起こりました。
キプチョゲが遅れを取りあっという間に先頭集団から離脱し、キタタ、ビンセント・キプチュンバ、シサイ・レマが先頭をリードし始めたのです。
モジネット・ゲレメウの伝説的なフィニッシュスピードも注目されましたが、先頭の3選手に完全に引き離され、最後のストレートはキタタとキプチュンバの驚愕のスプリント勝負となりました。
ザ・マルを走り抜ける2人の勝負を制するのは長身のケニア選手キプチュンバかと思われましたが、キタタも負けじと応戦し、わずか1秒のリードでフィニッシュテープを切りました。
待望のレースにおいて予想外とも言える結末ではあったものの、スリリングかつ、男子マラソン界のトップ交代を予感させる結末でもありました。
2013年ベルリン以来の敗北により、キプチョゲにとっては嫌な一日になったことでしょう。現AbbottWMMチャンピオンの彼は、「25km地点を過ぎ、耳が詰まってしまいそこから回復しなかった。でも、これがスポーツだ。敗北を認め、次の勝利に向けて集中するだけだ。」とツイートした。
特殊なコースで開催されたロンドンマラソンを制したキタタは、キプチョゲのツイートの如何によらず、その名を歴史に残すことになりました。
原文はこちら
車いすエリートレース: ブレント・ラカトスがロンドンを歓喜に沸かせた
Virgin Moneyロンドンマラソン車いすレースでは、男女レースともの番狂わせがあり、カナダのブレント・ラカトスとオランダのNikita Den Boerが初のロンドンタイトルを獲得しました。
男子レースでは、ラカトスが他5選手の裏をかきトップ集団から飛び出し、カナダ選手としては10年振りとなる優勝を収めました。女子レースではDen Boerが、男子エリートレースにおけるエリウド・キプチョゲの敗北以上に大きな驚きをもたらしました。2018年のロンドンマラソン以来896日間負け知らずだったマニュエラ・シャーは、10連勝目を達成すべく挑んでいました。
しかし無名のDen Boerは、現AbbottWMMシリーズチャンピオンの素晴らしい評判に威圧されることもなく、レース序盤から両者が代わる代わるレースを引っ張る展開になりました。
そのまま一進一退の攻防でしたが、最終周回コースの最終スプリントでオランダのDen Boerが抜けだしリードを広げた時、シャーには追い付くパワーが残されていませんでした。
寒さと雨が苦手なスイスのシャーはそのまま引き離され、感染症対策された隔離エリアで開催されたエリートのみのレースにおいてDen Boerは、観戦者の姿が無くいつもと違うザ・マルの最後のストレートを走り抜け、AbbottWMM大会で初の勝利を手にしました。
シャーは結局、勝者から遅れること1分でフィニッシュしました。
ラカトスにとって、26.2マイルの道のりに渡る戦略的な戦いの末に手にしたこの優勝は、2018年のベルリンマラソンでの優勝と並び、車いすマラソンにおける最も危険なスプリンターとしての名声を確固たるものにしました。
彼はトラック競技で磨きをかけたスピードを活かして最終コーナーを曲がり、更にスピードを上げてデイビッド・ウィアーと、3位となったマルセル・フグをかわして優勝を収めたのです。
※男子レースでは、日本の渡辺勝選手が4位、洞ノ上浩太選手が6位に入っています。
原文はこちら
■関連記事
2020 Virgin Moneyロンドンマラソンのエリート選手発表
2020 Virgin Moneyロンドンマラソンの車いすエリート選手発表
2020 Virgin Moneyロンドンマラソン 大会プレビュー
2020 Virgin Moneyロンドンマラソン 大会直前プレビュー ~第40回ロンドンマラソンの舞台が整った~
*オリジナルのリリースの正式言語は英語であり、この内容及び解釈については英語が優先となります。