*オリジナルのリリースの正式言語は英語であり、この内容及び解釈については英語が優先となります。
マラソンレビュー:エリウド・キプチョゲが記録更新で王座を守る
エリウド・キプチョゲがVirgin Moneyロンドンマラソンの大会記録を更新し、ロンドンで4度目となる優勝を収め、アボット・ワールドマラソンメジャーズ シリーズXIIリーダーボードのトップに躍り出ました。
ケニアのキプチョゲは、彼自身が2018年9月のBMWベルリンマラソンで樹立した世界記録2:01:39に次ぐ、史上2番目に速いタイムとなる2:02:37でフィニッシュしました。
キプチョゲはスタートからフィニッシュまでレースを支配し、レース前、地元ファンが期待したモハメド・ファラーとの攻防戦に早期に決着を付けました。
イギリスのファラーは、中間地点までは先頭集団に付けていましたが、2:03を切るペースは、10月のシカゴでサブ2:06を達成し優勝したファラーにとって速すぎるものでした。
ファラーが遅れ、先頭集団はキプチョゲと、エチオピアの3人トリオ、 シュラ・キタタ、モジネット・ゲレメウ、Mule Wasihunに絞られました。
11月のTCSニューヨークシティマラソンでレリサ・デシサに敗れ2位となったキタタが、エンバンクメントへと続く斜面に入る頃に遅れを取りはじめ、予想に反し、最初の脱落者となりました。
キプチョゲがスプリント勝負に出る頃かと思われましたが、何度もロンドンを走っている彼は、25マイル目に勝負を仕掛け、4:30という最も速いスピードで駆け抜けました。
残る2人の挑戦者もこれに付いて行けず脱落し、マラソン界のキングは、フィニッシュ地点のザ・マルでグランドスタンドからの称賛を独り占めにしました。
キプチョゲが出した2時間3分を切るタイムは、ロンドンの大会記録を更新する記録となり、キプチョゲの素晴らしい競技人生に新たな章を書き加えるとともに、既に周知の事実ではあったものの、彼が史上最高のマラソンランナーであることを証明してみせました。
女子レースでは、ブリジット・コスゲイが自己ベスト更新の2:18:20で勝利を収め、ケニアにとっては2度嬉しい大会となりました。Bank of Americaシカゴマラソンでも優勝しているコスゲイは、9月のベルリンで終結を迎えるAbbottWMMシリーズXIIでのタイトル獲得において優位に立ちました。
女子レース前半は、予想をはるかに下回る遅いペースで展開しました。しかし、集団が崩れ始めると、コスゲイと、ディフェンディングチャンピオンのビビアン・チェルイヨットがトップ争いを開始しました。
ペースが上がるにつれコスゲイは、2度目のスパートでライバルのチェルイヨットを引き離し、チェルイヨットは急速に広がる差を縮めることはできませんでした。
あとは記録に挑戦するのみとなったコスゲイ。シカゴでの2:18:35という記録を上回る記録で勝利を収めました。
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車いすマラソンレビュー:マニュエラ・シャーが全勝を達成
マニュエラ・シャーが2019 Virgin Moneyロンドンマラソンでまた圧倒的な勝利を収め、歴史にその名を刻みました。
ロンドンでの勝利は、アボット・ワールドマラソンメジャーズでの連続6大会目の優勝であり、これによりシャーは、AbbottWMMでグランドスラムを達成した初めての選手となりました。もし彼女が、2018年9月にこの連勝をスタートさせたベルリンの地で、今年9月に再び優勝し7つ目の勝利でシリーズを締めくくることになれば、更なる歴史が刻まれることとなります。
スイスのスターはロンドンのコースで、軽々とライバル達をかわしました。ほんの少しの間、アメリカのタチアナ・マクファーデンと一緒に競っていましたが、間もなくして、シリーズXIIの他のレース同様のレース展開となり、34歳のシャーは、他を寄せ付けない強さと速さを見せ付けました。
タワーブリッジまでには独走態勢となり、今シリーズで新たに導入されたボーナスポイント区間に向け突き進みました。ロンドンでFlying 400と称されたこの勝負は、該当区間で最も速いタイムを出した車いす選手に1万ドルの賞金も授与されるものとなりました。
シャーは、今シリーズで既に最高限度となる3回分のボーナスポイント勝負を制しており、ライバルのポイント獲得をブロックすることしかできませんが、彼女にも賞金獲得のチャンスはあり、狙い通り、51秒というタイムでその賞金を手に入れました。オーストラリアのマディソン・デロザリオは、53秒で区間2位となり、5千ドルを獲得しました。
その後は、シャーがコースを滑らかに進み楽々と優勝し、自身の競技歴に新たな勝利を加えました。
それから5分以上が経過し、マクファーデンがデロザリオをかわし2位でフィニッシュしました。
主力交代の動きが続く男子車いすレースでは、ダニエル・ロマンチュクが今シリーズ4度目となる優勝でポイントを重ね、マルセルが追い付く見込みはなくなりました。
アメリカのロマンチュクとフグは、何度か先頭を交代しながら日本の鈴木朋樹を引き離し、レースは、ロンドン特有のスプリントフィニッシュを迎えるかの様相を呈していました。
しかし、最後のカーブでロマンチュクが剛腕にものを言わせスピードを上げ、フグはそれに付いて行けませんでした。
現シリーズチャンピオンのフグは、ロマンチュクのスパートに対応し切れず、王座を奪われるのを見つめるしかありませんでした。
これはロマンチュクにとって初の海外メジャー優勝となり、課された試練をことごとく乗り越える若きアスリートは、今回の試練も乗り越えました。
AbbottWMM春シリーズはロンドンのレースで幕を閉じ、次なる注目は9月のベルリンとなります。ドイツの首都ベルリンの速く平坦なコースは、スリリングに展開しているシリーズXIIの最終戦開催にふさわしい舞台となるでしょう。
※車いすレースでは、下記の選手がトップ10に入りました:
男子 3位:鈴木明樹、8位:西田宗城、10位:山本浩之; 女子5位:喜納翼
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