*オリジナルのリリースの正式言語は英語であり、この内容及び解釈については英語が優先となります。
マラソンレビュー:女王メアリーがニューヨークの王座を再び奪還
メアリー・ケイタニーが圧倒的なパフォーマンスを見せ、太陽の光がさんさんと降り注ぐニューヨークで4度目のTCSニューヨークシティマラソン優勝タイトルを獲得しました。
36歳のケニア選手は、2017年ニューヨークシティマラソンでシャレーン・フラナガンに敗れ、今年4月のロンドンでは世界記録更新に失敗しましたが、それを乗り越えて優勝者へと返り咲きました。
6ヶ月前のロンドンでは、レース序盤で他の選手を引き離そうとしたケイタニーでしたが、今回はペース配分をもう少し計算し、20-25km地点まで待ってから強烈なスパートをかけ、これには誰も付いて行けませんでした。
ロンドンのチャンピオンであるビビアン・チェルイヨットはケイタニーを追いかける集団からも離れましたが、そのままケイタニーに追い付くチャンスを残しつつレースを続けました。ケイタニーはこれで、AbbottWMM大会における表彰台フィニッシュ(3位以内)を10回目となり、2019年3月の東京マラソンまでしばし中断となるシリーズXIIの前半でリーダーボードトップにつけました。
ケイタニーは驚愕の速さを見せ、17、18、19マイルのスプリットは全て5分を切っており、彼女に引き離されまいと食い下がっていたRahma Tusaに、致命的なダメージを与えました。
エチオピアのTusaは、それまでの努力が仇となり、チェルイヨット、そしてディフェンディングチャンピオンのシャレーン・フラナガンにも追い抜かれ、表彰台を逃しました。
ケイタニーの2:22:48というタイムは、ニューヨークの困難なコースで優勝した女子選手の中で歴代2番目の速さです。
男子レースでは、レリサ・デシサがレース終盤で驚くべき強さを見せ、2013年、2015年のボストン優勝タイトルに加え、ニューヨークシティでの勝利を収めました。
デシサの今までのニューヨークでの戦績では、昨年の3位という結果がベストで、今年4月の極寒のボストンでは、35km地点で途中棄権しています。彼は今回、見事に復活を遂げたのです。
レース序盤はデシサと同じエチオピアのShure Kitataがリードする中レースが進み、最終的に、5人の先頭集団をそぎ落としにかかったのは、ディフェンディングチャンピオンのジョフリー・カムウォロルでした。
しかしデシサは、逃げ切ろうとするケニアのカムウォロルに食い下がりました。カムウォロルは、早朝の寒さから頭を守るべく帽子を被っていましたが、デシサが決定的動きに出ると同時にそれを脱ぎ捨てました。
2人がコロンバスサークルに近づく頃、デシサがカムウォロルに試練を課し、カムウォロルはこれに対応することができませんでした。フィニッシュまでの最後の道のりへとセントラルパークに足を踏み入れる前に、ハーフマラソン世界チャンピオンの姿は消えていました。Kitataは猛スピードでカムウォロルを抜き去り果敢にデシサを追いましたが、28歳のデシサは上り坂でも粘りの走りを見せ、2:05:59でフィニッシュテープを切りました。
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車いすマラソンレビュー:シャーがアップヒルの戦いを征し表彰台のトップに上り詰める
マニュエラ・シャーがアボット・ワールドマラソンメジャーズ(AbbottWMM)の女子車いすシリーズXIIでの優勢を維持し、3戦目にして3勝目を挙げ、TCSニューヨークシティマラソンのタイトルを保持しました。
スイスのスターは現在、ベルリン、シカゴ、ニューヨークでの勝利により圧倒的リードでリーダーボード首位に立っていますが、今回の勝利は、あらゆる努力の結果として手に入れたものでした。
33歳のシャーは、終始、最大のライバルであるタチアナ・マクファーデンとの接戦を強いられました。アメリカのマクファーデンは、ニューヨークでの6度目の優勝を掴むべく、20km地点のスプリント勝負でシャーを僅差で交わし、ボーナスポイント8点を獲得。その後も2人は先頭を交代しながら、レース後半も激しい攻防戦を続けました。
一方が相手を引き離すともう一方が食い下がり、一進一退の攻防戦が続きましたが、セントラルパークの木陰に入る頃、シャーが遂にその流れを断ち切りました。
シリーズXIチャンピオンのシャーは、AbbottWMMレースにおいては、ほとんどの場合できるだけ早い段階で対戦相手たちを引き離し、大差を付けて優勝しています。
しかし今回は、激しい攻防戦を征しトップとなった初めてのレースであり、かつ、上りの多いニューヨークでの強さに定評のあるマクファーデンにも対応できる実力を証明するレースとなりました。
シャーが最後の勝負に出てマクファーデンを引き離した時には、既に35km地点を越えており、フィニッシュラインを通過するシャーの顔には込み上げる感情が刻まれていました。
昨年悠々と優勝しシリーズXIのタイトルを確実にした東京のレースが近づく今、2年連続のシリーズタイトルを獲得するためにシャーがやるべきことは一つです。
男子レースではDaniel Romanchukが、10月のBank of Americaシカゴマラソンでの優勝がまぐれではないことを証明しました。
20歳のアメリカ人選手は、マルセル・フグとデヴィッド・ウィアーと26マイルに渡る接戦を繰り広げた後、あの巨大な腕でギアを切り替えスプリント勝負に出て、TCSニューヨークシティマラソンでの初タイトルを獲得しました。
Romanchukの圧倒的なスパートに、フグとウィアーは為す術なく引き離されました。これは、長きに渡りヨーロッパが保持してきた男子車いすレースにおけるパワーバランスが、大西洋を越えて傾き始めていることを示唆したものでした。
Romanchukは、シカゴでもそうだったように、20km地点のスプリントでボーナスポイント8点を獲得しました。つまり彼は、この2大会で66ポイントを獲得したことになります。これらのポイントがベルリンで獲得していた1ポイントに加わり、このまま行けば彼がシリーズを征する選手になりそうです。
Romanchuk以外でシリーズXIIにおける勝利を挙げているのはカナダのBrent Lakatosです。ベルリン優勝者の彼はシリーズが東京へと続く中、進化を遂げてレベルアップしたRomanchukと対戦することになるでしょう。
*男子車いすレースには日本からも多くの選手が出場し、鈴木朋樹選手が日本人トップの6位でした。
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