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【レポート】東京藝術大学「ドローイングランナー展」

2025年3月3日

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東京マラソン2025のアートプロジェクトの一つとして、東京都庁前のスタート地点にてランナーがスタートしていく様子や会場の雰囲気を東京藝術大学の学生(アーティスト)が約30分という限られた時間でクロッキーを行い、その作品が同日午後には東京国際フォーラム内で展示される「ドローイングランナー展」を開催しました。
※クロッキーとは対象を素早く描画すること、またはそうして描かれた絵そのものを指します。

このドローイングランナー展は、東京藝術大学の日比野克彦学長と東京マラソン財団の早野忠昭理事長が東京マラソン2024の公式プログラムで対談した際に、アートとスポーツの融合のきっかけづくりとして発案され、2024大会において初めて開催されました。

2回目となる今回は東京藝術大学美術学部デザイン科の1年生10名が参加。約40分と短い時間の中で、ランナーの特徴や会場の雰囲気をそれぞれの個性で表現した作品を次々と描き上げていきました。

それでは「ドローイングランナー展」に参加した学生と作品の数々をご紹介します!

LI HAIRUOさん
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「動いている人を描くのは初めてでしたが、ランナーの皆さんはかっこ良かったですし、描いていてすごく楽しかったです。人の動きや迫力に着目して描いてみました。すごく良い経験になったので、これからもクロッキーを描いてみたいなと思いました」

稲葉 このみさん
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「マラソン選手を間近で見るのは初めてだったので、息遣いやオーラを見てすごく感動したことを表現してみました。マラソンランナー皆さんの勢いや本番に対する向き合い方、エネルギーを学べたので、これからの制作に生かしていきたいなと思います」

内海 加奈さん
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「動きに追いつくことが大変でした。でも、ランナーの方と目が合ったり、対話が取れたりしたので楽しかったです。車いすマラソンはスピードが速くて光や色が飛んで見えたので、それを蛍光色で取り入れてみました。絵を描くことにおいて瞬時の判断力も大切ということなど、勉強になることが多かったです」

于 美炫さん
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「マラソンを見る機会がなかなかなかったので、迫力を感じながら描く経験がすごく貴重でした。結構、難しかったです(苦笑)。でも、動きを捉えていくのが楽しかったですね。エネルギッシュな感じを作品にそのままアウトプットしていくことって大切だなと思ったので、今後の制作にも新鮮なものを生かしていきたいなと思いました」

桑田 航希さん
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「マラソン選手はやっぱり動きが速いので苦戦したのですが、部分、部分の動きでどう躍動感を出そうかとイメージしながら描くのがすごく楽しかったです。後ろ姿を描いた作品は、その人の感情や気持ちなど色々なことまで読み取れるように表現してみました」

櫻庭 花恵さん
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「ランナーの皆さんのエネルギーがとにかく凄かったです。私は人物や人体、表情を描くのが好きなのですが、走ることが好きな人って腕や足に筋肉がついていて、習慣化された美しさがありますよね。それを表現したくて、いくつか描いてみました」

佐藤 綾花さん
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「熱気や振動、空気感が凄かったので、それを絵に出来たらなと思って描きました。実はさっきフィニッシュも見てきたのですが、スタート地点で描いていたランナーの人たちを発見することができたんですよ。凄いですよね。人間の力って凄いなと思ったので、人の想いを巻き込むような作品づくりができたらいいなと思います」

初崎 彩陽美さん
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「クロッキーは習慣的にやっていたので、いつも通り肩の力を抜いて描くことができました。1秒後には景色が変わっているその一瞬を捉えようという気持ちで、記憶しつつ、その時のフィーリングも乗せつつ、会場の熱気や勢いを表現したいと思って描きました」

真本 大輝さん
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「スピード感を持って手数少なく、線にこだわりながら描いていたので、自分も常に体を動かしながら描いていました。ランナーの皆さんは色とりどりのウェアを着ていたので、色をたくさん使いたいと思って表現しました。今回、短い時間の中で様々な技法を試すことができたのが良い経験になりましたし、すごくエキサイティングに描けました」

米田 絢美さん
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「動いているものを描くことがあまり経験なかったのですが、スピードを感じながら描くのが楽しかったです。いろんな色を使って疾走感を表現したいと思って描きました。様々な人たちがマラソンという一つの競技に参加していることが凄く心に残ったので、自分も多様な人たちに届く作品をつくりたいなと思いました」

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一方、学生たちの姿を見守った同大学社会連携センターの佐々木里史特任准教授は「とても集中して丁寧に描いていましたね。学生10人それぞれの表現が違っていて、これだけ多くの群衆を抽象的に描いていたり、走る人ではなくウェアのカラフルさを表現するなど、色々な見方があって私自身も非常に面白いなと思いました」と感心。そして、今回の経験をもとに「これからも大学の外に出て経験することはたくさんありますので、学生みんなの知識や経験、そして幅みたいなものをどんどん増やして、感性を広げていってほしいですね」と、若きアーティストたちに大きな期待を寄せていました。

東京マラソンは今後もアートプロジェクトにおいて、さまざまなひと・もの・ことを巻き込んで、アート×スポーツを通じた若者へのアプローチ、子供たちがスポーツに興味を持ってもらうきっかけ作りなど、コミュニティ・ウェルビーイング社会の実現にむけた取組を行ってまいります。そして、アート、クリエイション、テクノロジーの多様な領域のスペシャリストとコラボレーションしながら、新しい時代を見つめダイナミックに共創していきます。ぜひご注目ください!

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