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【レポート】東京マラソン2025 エリートレース

2025年3月3日

スタート時の天候は晴れ、気温14℃、湿度41%。レース中盤まではまずまずの気象条件下でしたが、トップのフィニッシュ時には気温20.3℃まで上昇し、終盤になるにつれ日差しが強くなっていきました。

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男子は、終盤に抜け出した22歳のタデセ・タケレ(エチオピア)が2時間03分23秒で初優勝を飾りました。「きょうは大変良いレースだった。自己記録も更新できてとてもうれしく思います。」と喜びを語りました。

最初の5kmは14分25秒で入るなど序盤から高速レースを展開しました。先頭集団の8人が引っ張り、中間地点を1時間01分18秒で折り返しました。ここで集団をけん引してきた太田蒼生(青学大)が離れていきます。28km付近でヴィンセント・キプケモイ・ゲティッチ(ケニア)が前に出ると、集団は徐々に縦長になっていき、ペースメーカーの外れた30km付近からはタケレ、ゲティッチ、デレサ・ゲレタ(エチオピア)の三つ巴になりました。少しずつ日差しが強くなる中、39km手前でタケレがスパートを仕掛け、ゲレタとゲティッチを振り切ってフィニッシュしました。「暑いと思えず、良いコンディションだった。」と颯爽と走り切り、強さを見せつけました。

タケレは東京2020オリンピックでは3000m障害に出場。2023年のベルリンマラソンで初の42.195kmを走り、2時間03分23秒をマークしました。今後については「今よりいいタイムで走り、いい走りをしてオリンピックで勝ちたい。」と目標を掲げました。

ゲレタが2時間03分51秒の2位、ゲティッチが2時間04分00秒の3位でした。

注目された5000mと10000mの世界記録保持者であり、オリンピックの両種目で金メダリストのジョシュア・チェプテゲイ(ウガンダ)は2時間05分59秒の9位でフィニッシュしました。2023年12月の初マラソンとなったバレンシアで記録した2時間08分59秒を3分更新しました。スタート直後から第2集団で走り、5kmごとのペースは14分台で推移していきましたが、30km以降はペースを落とし、終盤に順位を下げていきました。

9月開催の東京2025世界陸上の代表選考会を兼ねる日本勢は、最後まで激しい順位争いを繰り広げました。28km付近で、序盤から先頭集団でレースを引っ張ってきた太田が一気にペースダウン。池田耀平(Kao)と赤﨑暁(九電工)がとらえると、32km付近で池田がトップに立ちます。そこへ、浦野雄平(富士通)とともに、市山翼(サンベルクス)、井上大仁(三菱重工)が追い上げる混戦模様に。40km手前で市山が一気にスパートし、そのまま振り切って、2時間06分00秒の10位でフィニッシュしました。レース後、記者から囲まれ、「日本勢トップ」に気づいたそうで驚きの表情を隠しません。「下りが得意ではないので序盤はうまく走って、エネルギーを貯めて後半粘り切る。」という作戦が見事にはまりました。

日本勢の2番手は井上、3番手は浦野、4番手は池田。序盤から先頭に立ち、先頭集団を引っ張った太田は36km付近で棄権となりました。

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女子は2024大会優勝者ストゥメ・アセファ・ケベデ(エチオピア)が2時間16分31秒で2連覇を達成しました。女子では初の快挙に「優勝できて大変うれしく思います。」と笑顔を浮かべました。

スタート直後から「一人旅」で先頭を走り、ハーフを1時間06分20秒のハイペースで通過したものの、25km付近からペースを落とします。「35km以降は暑さと疲れがあった。37kmからは少しだけ風があった。でも、総じて良かったし、いい走りをしたと思う。」と満足げな表情を浮かべました。東京2025世界陸上に向けて、「勝つことができれば、歴史的なことになる。」と再び東京での快走に意欲を見せました。

2位争いは、ウィンフリダ・モラー・メセティ(ケニア)が後半に入ってもペースを落とさず2時間16分56秒で2位。メセティとの競り合いに敗れたハウィ・フェイサ(エチオピア)が2時間17分00秒で3位。2023大会優勝のローズマリー・ワンジル(ケニア)は2時間19分57秒の5位でした。

東京2025世界陸上の代表選考会を兼ねる女子日本勢で、トップで駆け抜けたのは安藤友香(しまむら)でした。2時間23分37秒の11位となり、「30kmからの単独走になったときにペースを落としてしまった。目標としていたタイムに届かず悔しい。」と語り、2時間20分を切れず、肩を落としたものの、世界陸上の代表の座をほぼ手中にしました。ロンドン2017世界陸上では17位だったこともあり、「代表に選ばれたら2017年のリベンジを含めて、課題を克服してスタートラインに立ちたい。」と意気込みました。

細田あい(エディオン)は13km付近で第2集団から遅れ、その後もペースが上がらず、2時間27分43秒の13位に終わり、「目標としていた走りからは程遠かったけど、今の力をしっかり出せた。」と話し、唇をかみました。

  • 東京地下鉄株式会社