大会2日前となった2月28日(金)、東京マラソン2025プレスカンファレンス(招待選手 会見)を開催しました。
まず、女子の記者会見を行い、海外勢のストゥメ・アセファ・ケベデ(エチオピア)、ティギスト・ケテマ(エチオピア)、ローズマリー・ワンジル(ケニア)、日本勢では細田あい(エディオン)と安藤友香(しまむら)が登壇しました。
昨年の大会で日本国内最高記録となる2時間15分55秒で優勝したケベデは「ここに戻ることができて、とてもうれしく思います。コンディションは良好で、いい状況で練習が積めました。」と朗らかに話し、調子が良さそうです。女子では初となる2連覇に向けて「優勝したいと思っています。」と力強く語り、ターゲットタイムについては「コンディション、気象条件、すべての条件が整えば、エチオピア記録を目指したい。」と2時間11分53秒の更新を視野に入れています。
昨年のベルリンマラソンを2時間16分42分で制したケテマは「コンディションは良好で、ベルリンの後、しっかり練習を積んできました。いい順位、いいタイムで走りたいです。」と笑顔を浮かべました。「東京に初めて来ました。素敵な街。心地よい街。コース(の研究)はまだ準備をしているところ。」と話し、初めて訪れた東京に好印象の様子でした。
2023大会優勝者のローズマリー・ワンジル(ケニア)は日本を「第二の故郷」と語り、「体調はとてもいいです。いい練習ができました。日曜日が楽しみです。」とすべて日本語で対応しました。目標は「ベストタイムと優勝。」と宣言し、2時間15分台を狙います。
9月開催の東京2025世界陸上の代表選考会を兼ねる日本勢も好調で本番を迎えます。
昨年のベルリンマラソンでは、2時間20分31秒でフィニッシュした細田は「日に日に状態を上げている。日曜日にしっかりと走れるように。」と調子が上昇していることを示しました。東京のコースについては「前半5kmが下りで、いいリズムに乗りやすい。後半もフラットでタイムが出やすい。」と分析し、「自分を破るという意味で、自己記録更新を目指して頑張れたらいい。」と意気込みました。
昨年の名古屋ウィメンズマラソン女王の安藤は「日々、『昨日の自分より今日は成長すること』をモットーに取り組んできました。前回のマラソンの記録を超える。前を見て諦めないで走りたい。」と、成長をテーマに臨みます。東京2025世界陸上に向けて「過去の自分を超えることでチャンスが巡ってくる。今できることを最大限発揮したい。」と大舞台へ意欲をみせました。
大嶋康弘レースディレクターは「ケベデ選手ら、相当調子が良さそうです。大会記録(2時間15分55秒)は少なくても目指していただける展開になるのでは。そこに日本の細田選手、安藤選手が2時間20分を切ってもらえるようなレースになれば。」と期待を寄せました。
男子は海外勢のベンソン・キプルト(ケニア)、ジョシュア・チェプテゲイ(ウガンダ)、デレサ・ゲレタ(エチオピア)、日本勢では赤﨑暁(九電工)と池田耀平(Kao)がインタビューに応じました。
昨年の大会を日本国内最高記録となる2時間02分16秒で制したキプルトは「再び東京に来ることができてうれしく思います。日曜日に走る準備は万端。昨年のタイムを切ることができるかも、と思っています。」と語り、2連覇を狙います。レースプランについては「高速ペース。最初から速く行く。」と宣言するなど、終始自信に満ちあふれた表情でした。壇上では唯一、東京マラソンを経験したことがあり、「フラットなコース。みんな自己ベストを出せるはず。」と助言する場面もありました。
5000mと10000mの世界記録保持者であり、オリンピックの両種目で金メダリストのチェプテゲイは、「マラソンは2回目、準備はできています。」と語りました。2023年バレンシアマラソンで一度42.195kmに挑んだことがあり、「ちょっと落胆したんですけど、いまは再びのし上がるタイミング。」と意気込みました。「学習中なのでキプルト、ゲレタの大先輩に学びたい。2時間4分くらいでハッピーです。」と謙虚に語りました。一方で、「新しいチャレンジをしたい。世界陸上ではトラックに戻らないだろう。」とマラソンに懸ける決意をのぞかせました。
昨年12月のバレンシアマラソンで2時間02分38秒の2位に入ったゲレタは「出場することができてうれしい。良好なコンディション。」と笑顔を見せ、「気象条件がよければ、2時間2分台で走る準備をしてきました。」と闘志を燃やします。
9月開催の東京2025世界陸上の代表選考が懸かる日本勢は、世界の強豪に挑みます。
パリ2024オリンピックで6位入賞を果たした赤﨑は「問題なく練習を消化してきた。万全の状態で挑むことができる。」と仕上がりの順調さをアピールしました。パリに向けて続けたきた坂対策を続けていることを明かし、「自己ベスト(2時間7分32秒)更新は絶対だし、世界のトップランナーとこういう場で戦えるのは、成長するためにも必要なこと。」と強豪を相手に全力でぶつかります。
ベルリンマラソンで日本歴代2位となる2時間05分12秒とマークした池田は「タイムにはあまりとらわれず、争っていく中で一つでもいい順番をとれるように。」と自分の走りに集中します。昨年の東京マラソンを欠場したことを糧にしてきました。「この1年、充実した準備をしてきている。当日のレースを楽しみに迎えたい。」とレース本番が待ちきれない様子でした。
大嶋レースディレクターは「素晴らしい選手に出てきてもらってありたがく思っています。ディフェンディングチャンピオンのキプルト選手は、昨年のタイムを切ると言っているので、少なくてもコースレコードは破られるのではないか。」と高速レースを予想しました。その上で、「チェプテゲイ選手は今回が本格的なマラソンで非常に期待したい。」と語りました。
レース当日の天気は晴れ、スタート時の気温は12~13度の予報になっています。