「東京マラソン2023」前日の3月4日(土)、海外からお越しのランナーや外国人の方へのおもてなしと交流を目的としたファンランイベント「東京マラソンフレンドシップラン2023」が東京・浅草を舞台に開催され、34カ国・地域から517人が参加しました。
東京マラソンフレンドシップランは、外国人ランナーと日本人ランナーによる国際交流を通じたファンランイベントとして2012年から実施されてきました。今年も、2022年に引き続き、世界各国のランナーにアプリを使用してバーチャルのファンラン(5km)をお楽しみいただくのに加え、3年ぶりにリアルでの交流イベントも開催。「東京マラソン2023」の前日に東京・浅草にて交流を深める「リアルフィニッシュ」イベントで参加ランナーをお迎えしました。
隅田公園に設置されたフィニッシュゲートには早朝から国内、海外を問わず多くのランナーが集合。事前にアプリを使用して走った5kmのバーチャルランの締めくくりとしてランナーたちがフィニッシュテープを切り、東京マラソン財団スポーツレガシー事業チャリティ・アンバサダーであるM高史さんがゲストランナーとして笑顔で出迎え、ランニングによる交流を深めていました。
その後、グループに分かれて、選りすぐりの「日本文化体験」を実施。参加したランナーがそれぞれ体験したのは以下の4つとなります。
■日本文化体験:①【宴-UTAGE】 お座敷遊び体験
浅草産業会館にて、東京下町・奥浅草に脈々と根付く"花街"の文化、芸者さんの踊りを見学した後に、お座敷遊びを体験いただきました。身体のジェスチャーとじゃんけんを合わせたお座敷遊び「とらとら」では、外国人ランナーが舞台に上がって実際にチャレンジ。芸者さんに踊りやジェスチャーを教わりながら、じゃんけんのグー、チョキ、パーにあたる「槍を持った和藤内(わとうない)」「四つん這いの虎」「杖をついた老母」のポーズをとるなど、会場は大盛り上がりとなりました。
■日本文化体験:②【桐-KIRI】 桐木目込み体験
浅草「箱長(はこちょう)」でしかできない"木目込み(きめこみ)細工"の制作体験を通して、日本の伝統工芸に触れていただきました。100枚の1万円札がぴったり収まる桐の紙幣入れには扇の模様が彫られており、その扇に筆で色を入れ、また着物地をヘラで入れ込む"木目込み"を施して完成。さらに、海外のランナーは日本人スタッフから漢字、仮名を教わりながら思い思いのフレーズを書き込むなどして、オリジナルの紙幣入れを作りあげていました。
■日本文化体験:③ 【茶-CHA】 茶道体験
「本格的な茶道具や花器を扱う「柿沼」にて、修練を積んだベテラン茶道家によるレクチャーを受けたのち、伝統的な作法で抹茶をお召し上がりいただきました。また、希望する方は躙口(にじりぐち)から入って、畳の茶室でお茶をいただく昔ながらの本格的な茶道を体験。参加者は茶道家の説明を熱心に聞き入り、作法の一つひとつを丁寧にこなして抹茶の風味を味わうなど、日本の代表的な伝統文化である茶道を通じて日本人の心、日本の美を堪能していました。
■日本文化体験:④ 【紙-KAMI】 折り紙体験
伝統的な折紙講師の沓名輝政(くつな・てるまさ)さんの指導を受け、自分だけの「おひな様」を折っていただきました。日本人でも折るのがなかなか難しい「おひな様」とあって、折り紙初体験の外国人ランナーは四苦八苦。それでも沓名さんが一人ひとりに英語で声をかけてレクチャーし、また日本人スタッフも一緒になって折ることで無事に完成。それぞれ形の違うオリジナルの「おひな様」を見せ合い、写真に撮るなど楽しんでいました。
「東京マラソンフレンドシップラン2023」に参加したドイツ・ベルリンマラソンのエリート選手コーディネーターであるCarsten Helterhofさんにお話をお伺いしたところ、「私は折り紙体験に参加したのですが、まず指を骨折せずに『おひな様』を作ることができて良かったです(笑)。紙でこのようなものを作れることはとても印象的でした」と、日本の伝統文化を楽しんでいただけた様子。そして、ランニングや日本の伝統文化体験を通じた国際交流イベントの実施に関して「世界が通常どおりに動き始め、日本も海外に対してオープンになってきたことは素晴らしいと思います。また、ベルリンマラソンでは前夜のカーボパーティーや当日の朝食会、大会EXPOは実施するものの、文化交流イベントなどは実施したことがないので、今回のようなイベントで海外のランナーを出迎えて交流することはとても素晴らしい試みだと思いました」と感想をいただきました。
「東京マラソンフレンドシップラン2023」は、4年ぶりに多くの海外ランナーを迎えるために、浅草の地域の方々をはじめ、大学生スタッフやおもてなし親善大使(中高大学生)など、たくさんの皆様のお力添えを得て実現されました。
海外からお越しのランナーや外国人の方へのおもてなし・交流が、また2024大会でも実施できるように、今後も様々な企画で楽しんでもらえたらと思います。
ご参加いただいたランナーの皆様、本当にありがとうございました。