スタート時の天気は晴れ、気温11.5度、湿度46.4%。10km地点で汗をかく選手も見られましたが、それほど気温は上がらず、まずまずの気象条件下で行われました。
男子は昨年覇者のビルハヌ・レゲセ(エチオピア)が2時間4分15秒でフィニッシュ。大会2連覇を達成しました。「大変うれしく思います。風は少しあったけど、(雨が降った昨年より)気象条件が良かった。」と喜びを語りました。また、レース後の記者会見では30kmから左脚の付け根に痛みがあったことを明かし、「2時間3分30秒よりも良いタイムを狙っていましたが、痛くて前に進むのが困難でした。タイムより優勝に照準を定めました。」と戦略を切り替えたそうです。
先頭集団はハーフまで12、13人。10kmを29分12秒、20kmを58分41秒と昨年とほぼ同じペースで進んでいきました。集団は25kmから一気にペースを上げ、次々と選手を振り落とし、30kmでペースメーカーが離れると、シサイ・レマ(エチオピア)との争いになりました。39km手前でスパートし、レマを突き放し、フィニッシュへと向かいました。
2位には終盤追い上げたバシル・アブディ(ベルギー)、3位にはレマが入りました。
東京五輪の代表選考会を兼ねる日本勢は、井上大仁が序盤から先頭グループで意欲的に走り、日本記録保持者の大迫傑は先頭グループに付いたり、離れたり。23km手前では後れを取り、一時は井上に10秒差をつけられます。しかし、32km過ぎに追いつき、井上の苦しそうな様子を確認すると、一気に前へ出ます。このレースで初めて日本勢のトップに立ち、30kmから35kmの5kmを14分台で刻み、順位を上げていきます。そして自らの持つ日本記録を21秒更新する2時間5分29秒の4位でフィニッシュ。絶叫し、拳を握りしめ、喜びを爆発させました。インタビューでは「日本記録で次につながる走りができました。しっかり走れて良かったです。」とこみ上げてきた感情を抑えきれず、涙を見せました。
そのほかの日本勢も好タイムをマーク。高久龍が2時間6分45秒、上門大祐は2時間6分54秒と自己ベストを大幅に更新し、定方俊樹ら7人が2時間7分台を記録しました。
前日本記録保持者の設楽悠太は2時間7分45秒の16位、中間点まで先頭集団に食らいついた井上は2時間9分34秒の26位でした。
女子はロナ―・チェムタイ サルピーター(イスラエル)が2時間17分45秒で従来のコースレコードを2分以上上回る好タイムで優勝しました。序盤からハイペースで進み、35km手前から2度の大会優勝を誇るベルハネ・ディババ(エチオピア)との一騎打ちとなります。サルピーターは意識的にスパートすることなく、「自分のフィーリングで走ったら、周りに選手がいませんでした。」と最後まで自らのペースを貫きました。「自己記録を素晴らしいレースで更新することができ、とてもいい気分です。」と充実した表情でした。2位のディババも2時間18分35秒の好記録でした。
日本勢では、山口遥が記録した2時間30分31秒の10位が最高でした。