*オリジナルのリリースの正式言語は英語であり、この内容及び解釈については英語が優先となります。
マラソンレビュー:グラディス・チェロノが僅差でボストンを制す
ケニアのローレンス・チェロノは、フィニッシュラインでエチオピアのレリサ・デシサをかわし、歴史に刻まれるレースとなった2019ボストンマラソンで勝利を収めました。
チェロノと同じくケニアのケネス・キプケモイも2人に加わり、ボイルストンストリートへと続く最終コーナーまで競り合っていましたが、チェロノが強さを見せ、TCSニューヨークシティマラソンチャンピオンのキプケモイを引き離し優勝しました。
アメリカのジャレッド・ワードとScott Faubleがたびたび強引に前に出てレースを動かそうとしますが、終盤まで大きな集団を維持したまま進む展開となりました。
スタート前の土砂降りの雨と強風は、2018大会同様、レースに混乱を来たすかと思われましたが、スタート直後から状況は好転し、優勝候補者たちが期待に応えるレース展開となりました。
2017年優勝者のジョフリー・キルイも、レース終盤までトップ争いに加わっていましたが、遂に、チェロノ、デシサ、キプケモイが集団を引き離しました。3人の勝負は最終マイルにまでもつれ込み、その時点では、4ヶ月前のニューヨークで優勝を収めたエチオピアのデシサに軍配が上がるかに思われました。
しかしデシサは、チェロノを打ち負かすことができず、2013年と2015年に獲得した王座を再び奪還することはできませんでした。
チェロノはこの優勝によりアボット・ワールドマラソンメジャーズ シリーズXIIリーダーボードでの上位争いに加わりましたが、2位となったデシサは、シリーズポイントが合計41ポイントとなり単独トップに躍り出ました。
Virgin Moneyロンドンマラソンが目前に迫る中、ともに25ポイントを保持するエリウド・キプチョゲとモハメド・ファラーが、優勝あるいは2位入賞という結果を出しデシサを上回れるか、に注目が集まります。
女子レースでは、レース序盤でウォルクネシュ・デゲファが他を引き離したまま振り返ることなく独走し、男子のようなドラマは生まれませんでした。
エチオピアのデゲファにとってメジャー大会初挑戦となるレースであり、ボストンの悪名高い丘をレース前に視察する機会も逃していましたが、ある時点で3分のリードを奪った彼女には、それは問題にはなりませんでした。
前半の速いペースが後半の体に響いたデゲファを追い、一騎打ちの戦いを挑んだのは2017年優勝者のベテラン、エドナ・キプラガトでした。39歳のキプラガトはその差を1分未満に縮めましたが、フィニッシュ前に追い付くことはできませんでした。
デゲファは1月のドバイで優勝し、出場選手中最も速い自己ベストでの参加となりました。ボストンの厳しいコースで実力を証明した彼女は、AbbottWMMレースでも主要選手として認識されることになります。
デゲフェはこの優勝で、グラディス・チェロノ、メアリー・ケイタニー、ブリジット・コスゲイと並ぶ25ポイント獲得となり、41ポイントのルティ・アガを追う展開となりました。
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車いすマラソンレビュー:マニュエラ・シャーとダニエル・ロマンチュクがボストンで勝利
ダニエル・ロマンチュクは2019ボストンマラソンで説得力のある勝利を収め、アボット・ワールドマラソンメジャーズ シリーズXIIリーダーボードのトップにおける2位との点差を広げました。
ボストンでのロマンチュクの初優勝は、アメリカ人選手として1993年振りの男子車いすレース優勝となりました。20歳のロマンチュクは最初のダウンヒル区間に上手く対応できず、レース序盤はベテラン選手のエルンスト・バンダイクとアメリカのアーロン・パイクがリードしていました。
しかしマルセル・フグ、副島正純、ロマンチュクがすぐに2人に追い付き、引き離して行きました。
ロマンチュクは中間地点に向け加速し、AbbottWMMボーナスポイント8点を獲得。その後彼のリードが脅かされることはありませんでした。
フグは東京での優勝により、シリーズXIIにおけるロマンチュクとの点差を大幅に縮め、今日の対決を前にしたポイント差は2ポイントでした。
しかしロマンチュクがこの優勝で合計33ポイントを獲得し、副島が2位となったことで、3位のフグとの点差は26ポイントに広がりました。
女子レースは再び、マニュエラ・シャーの自分との戦いになりました。現シリーズチャンピオンは2018年、凍える寒さの中途中棄権を強いられましたが、今回は実力を発揮しました。
ダウンヒル区間で大きなリードを奪ったシャーは、他選手を完全に引き離し、ニュートン・ヒルズで差を縮めるチャンスを与えませんでした。
今日のレースで優勝ポイントとボーナスポイントを獲得したシャーは、シリーズにおける合計ポイントが獲得可能最高ポイントに達しました。そして、アボット・ワールドマラソンメジャーズ6大会連続優勝を目指しロンドンへと向かいます。
※男子車いすレースでは、上記副島選手の他、下記の選手がトップ10に入りました:
6位:洞ノ上浩太、8位:河室 隆一、10位:西田宗城
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2019ボストンマラソン 大会プレビュー
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