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AbbottWMM-ボストンマラソン 大会後レビュー

2017年4月19日

*オリジナルのリリースの正式言語は英語であり、この内容及び解釈については英語が優先となります。
原文こちら

シリーズ最終戦はケニアとスイス勢がボストンの表彰台に

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アボット・ワールドマラソンメジャーズシリーズⅩは、4月23日の2017 Virgin MoneyロンドンマラソンからスタートするシリーズⅪまであと6日となった、第121回ボストンマラソンでエリートはケニア、車いすではスイスの選手が優勝し、スリリングな結末となりました。

ケニアのジョフリー・キルイとエドナ・キプラガトは、エリートレースでの優勝を目指し、世界クラスの選手たちにスパートをかけて優勝しました。一方車いすレースのマルセル・フグとマニュエラ・シャーは、暖かい天候と多少の追い風により今までの車いすマラソンで一番速いタイムを記録し、スイスの歴史を塗り替えました。

フグは新たにスタートしたAbbottWMM車いすシリーズを終始リードし、1年間のシリーズ期間中、8レースのうち7レースで優勝をおさめました。その数分後にフィニッシュしたシャーは、シリーズ優勝のタチアナ・マクファーデンの素晴らしい単独優勝に18ポイント差まで迫りました。
12か月前、リオパラリンピックの金メダル、さらにロンドン、ベルリン、シカゴそしてニューヨークでの優勝を手にする連勝の始まりとなるスタートラインに立ったフグは、エルンスト・バンダイクやクート・フェンリーを寄せ付けませんでした。ボストンで10回優勝しているバンダイクだけが、1:18:04で他の選手を引き離したシルバーブレット(フグの愛称)についていけました。
フグとバンダイクはすでに前半で、二人の争いとなっており、最後の直線ボイルストンストリートまでもつれこみました。バンダイクは残り100ⅿで攻めましたが、スプリントの得意なフグはボストンマラソン3年連続優勝を守るため、まさにシルバーブレットのようにフィニッシュしました。
バンダイクは2004年ボストンでの自己最高記録を23秒も上回り、2012年のジョシュ・キャシディによる大会記録を21秒も上回る、フグと同じ1:18:04という素晴らしいタイムを記録しました。

女子の車いすレースでは、マクファーデンの連勝が4年でストップしました。2013年以来、ボストンマラソンで毎年優勝していたアメリカのスター・マクファーデンは、スタートから他の選手を引き離し決して後ろを振り返らなかったシャーに離され4位という結果でした。
昨年まで、マクファーデンに次ぐ2位に4回も甘んじた32歳のシャーは、ボストン大会記録を約5分更新する1:28:17で優勝しました。
「何度も2位に甘んじた最後の最後に1位になれました」とシャーは嬉しそうに答えました。
シャーに続いてアマンダ・マグロリーとスザンナ・スカロニもまた、それぞれ1:33:13と1:33:17という記録で大会記録を更新しました。一方のマクファーデンは、2月末の東京マラソンを欠場せざるを得ない命をおびやかすような血栓を患っていたにも関わらず、自身のボストンマラソン記録を1秒上回る1:35:05でした。

フグとマクファーデンがAbbottWMMシリーズタイトルを既に確実にしている一方で、2位とほぼ1分差の2:21:52でボストンを優勝したキプラガトは女子リーダーボードの2位に浮上しました。
女子エリートでは、同姓のフローレンスと7ポイント差であるキプラガトは、現在41ポイントです。2月の競技会外検査で結果が陽性となり、再検査を受けることになっているジェミマ・スムゴングを、現在リーダボード上で追いかけています。
38歳の元ロンドンマラソンチャンピオンであるキプラガトは、残り10kmでスパートをかけてリードを広げ、なぜ世界陸上で2回優勝し、AbbottWMMタイトルを2回獲得できたのかを証明して見せました。
同じケニアのグラディス・チェロノとバレンタイン・キプケテルを心臓破りの丘で引き離し、そして先頭のバーレーンのローズ・チェリモとアメリカの新星Jordan Hasayを猛追し、すぐにその差を100ⅿに広げました。
キプラガトはのぼりの5kmを16:01に縮め、35kmを1:58:41で通過し、チェリモと34秒差、Hasayとはさらに12秒差に引き離しました。キプラガトはダウンタウンの広い道を一人で駆け抜け、2:21:52でフィニッシュテープを切りました。
チェリモは2:22:51で2位、25歳のHasayは2:23:00の3位でマラソンデビューを飾りました。

また男子エリートでは、キルイが僅かな差で優勝しましたが、2:09:37で優勝するため、残り5kmでアメリカのリオオリンピック銅メダリストであるゲーレン・ラップを完全に引き離しました。
もう一人のケニア選手である元AbbottWMMチャンピオンであるエマニュエル・ムタイは、前半先頭に立ち、中間地点を64:35で通過しながら10人の先頭グループを引っ張っていました。しかしムタイが30km手前で減速すると、ラップが、同じくアメリカのアブディ・アブディラーマンを含めた7人の先頭集団を引っ張りました。
その7人からディフェンディングチャンピオンのレミ・ベルハヌが途中棄権して6人となり、ラップとアブディラーマンが前後になりながらキルイと共にニュートンヒルまで先頭集団を引っ張りました。長い上り坂は、キルイの肩に食らいつくラップと同様に挑戦するアブディを脱落させ、ダークホースの日本人ランナー大迫傑が3位に浮上しました。
キルイは2位と21秒差での優勝を目指し、35kmから40kmを14:35でスムーズにスパートする前にラップを2度確認しました。
キルイはこの勝利により、ロンドンとオリンピックチャンピオンのエリウド・キプチョゲが、男子チャンピオンとなったシリーズⅩで25ポイントを獲得し、5位に浮上しました。
ラップは2:09:58で2位となり、2009年以来となるアメリカの男女がボストンの表彰台に上がったことは意義深いです。大迫は2:10:28の3位でマラソンデビューを飾りました。

今、全ての選手の視線は新たな形式と賞金体系でシリーズⅪがスタートする日曜日のロンドンに向けられています。

※現AbbottWMMシリーズXリーダーボードはこちら

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*オリジナルのリリースの正式言語は英語であり、この内容及び解釈については英語が優先となります。
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