7月10日(土)、「"今日からできる震災への心がけは、体力作りです" ~東日本大震災のご経験を踏まえて~」をオンライン開催しました!
本セミナーをはじめとする寄付者向けプログラムは、東京マラソン財団スポーツレガシー事業に寄付をいただいたチャリティランナーやサポーターの皆様を対象としており、スポーツレガシー事業に関する交流の場や意見交換の機会を創出することを目的として開催しています。
また、今回はスポーツレガシー事業チャリティ・アンバサダーのM高史さんにもご参加いただき、その様子をレポートいただきました!
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東京マラソン財団スポーツレガシー事業 チャリティ・アンバサダー
M 高史(えむ たかし)さん/ものまねアスリート芸人
先日7月10日(土)に、スポーツレガシー事業寄付者向けプログラムの一環として、『"今日からできる震災への心がけは、体力作りです" ~東日本大震災のご経験を踏まえて~』と題したオンラインセミナーが開催されました!
講師はリアス・アーク美術館の館長を務める山内宏泰さん。
本セミナーは、東日本大震災発生から今年で10年の節目を迎え、防災の観点から、ご自身や周りの大切な方々を守るための『体力作り』の重要性について考え直すきっかけとして、気仙沼よりオンラインでお話いただきました。
<内容>
1.東日本大震災が発生したときからのお話
2.被災中での"レガシー"活動
3.被災者の想いを汲んだ言葉の表現について
4.復興支援活動として
5.災害に備えて準備すべきこと
山内さんの自己紹介から始まり、震災当日のお話がありました。
実際に撮影された写真とともに当時を振り返った山内さんは、「それまでの人生では聞いたことがないような重低音の地鳴りだった」とお話され、あまりの地震の激しさに、建物の倒壊まで覚悟されたそうです。
助かった後も、救助が来るまでの時間は生き延びるために知恵や経験を働かせていたのが伝わってきました。
震災が起きたのは3月11日。まだ寒さが残る時期ということで体温を保つために様々な工夫をされたそうです。美術館では作品を運ぶときに使う毛布や新聞があり、保温はしているものの「どんなに服を着ても自分の体から熱を生み出すことができなかった」とのこと。
食べ物を食べていないと体温を生み出すことができず、走り回ったりしてなんとか体温低下を防がれたそうです。「あのまま黙って救助を待っていたら・・・」と山内さんは振りかえられました。
その後、復興支援活動として、まずはリアス・アーク美術館を修繕し、開館することを判断をされました。
美術館ではありますが、総合博物館として資料を公開されています。
↑リアス・アーク美術館に展示された東日本大震災の記録と津波の災害史
「津波という現象を防ぐことはできなかったけれど、減災は可能だった」と山内さんは言います。
そして震災は「初めての経験であっても生き抜かなければならない。助かるための準備はする。けれど、助かったあとの準備をしていない。乗り切った後に72時間誰も助けに来なくても生きていけるか。助かったとしても避難所などで生きていけるか。一通り考えなければいけない」と感じられたそうです。
「命を落とせばその先はない。生き残った以上は生きていかなければいけない。そこまで考えなきゃ」ということで、常に出張の時に持参されるサバイバルグッズもご紹介いただきました。
サバイバルグッズの中には、懐中電灯やホイッスル、ライターといった様々なグッズがあり、改めて非常用バッグなどを事前に準備しておかなければと思いました。
また、日頃の準備として「体をを鍛えておくこと」「体力をつけておくこと」の重要性についてもお話された山内さん。
自分の命を守るために、避難できるだけの体力や筋力をつけておくこと。そして自分自身を守るというのは自分のためだけでなく、人の役にも立つということを教えていただきました。
というのも、自分が救助を必要とすると、他の人まで避難が遅れてしまうからです。
津波などの水害では、平行移動だけでなく垂直移動も必要ということで、自分の体をしっかりコントロールできるだけの筋力はつけておきたいところですね。
「災害があった時も力強く生き抜くために必要なこと」
コロナ禍で多くの大会が中止、延期となっている中ではありますが、多くのランナーさんが粘り強くコツコツ走り続けています。
日々の継続は自分の命、大切な人を守るためにも重要なことだと教えていただきました。
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震災からおよそ10年が経過した今、被災地の現状を実際に体験された方から直接伺う機会があまりなく、また、震災当時のお写真も見せていただくことができ、今回のセミナーを受けてより一層災害に備えることの重要性について考えさせられました。そして、心の準備だけではなく、日頃から体力づくりにも励むことが、結果的に災害時の避難の上でとても大切だということを感じました。
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
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