男子車いすは、これまで最後のスプリント勝負になることが多かったが、今回はひと味違うレース展開になった。序盤はマルセル・フグ(スイス)とダニエル・ロマンチュク(アメリカ)、エレンスト・バンダイク(南アフリカ)、日本の西田宗城が4人でトップ集団を形成。たたきつけるような雨の中、バンダイクと西田が遅れ始め、優勝争いはトップのフグと追走するロマンチュクに絞られた。中間点を2秒差で通過すると、フグはペースアップ。ここから一人旅となり、25 km地点では33秒差。以降もペースを崩さず、1時間30分44秒でフィニッシュした。2度目の東京で初優勝を果たし、キャリアを通じてアボット・ワールドマラソンメジャーズの6大会すべてを制した。「雨で走るのは得意。東京で1位という念願がかない、とても幸せ。」と喜びをかみしめた。
日本勢は洞ノ上浩太の4位が最高。昨年2位の鈴木朋樹は6位、昨年優勝の山本浩之は序盤から精彩を欠き9位に終わった。出場した26人中、11人が棄権し、天候の厳しさを物語っていた。
女子は序盤からマニュエラ・シャー(スイス)とスザンナ・スカロニ(アメリカ)の一騎打ちとなり、中間点を過ぎるとシャーがスパート。ここから独走態勢となり、2分近くの差をつけて大会2連覇を飾った。「寒くて厳しいレースだった。10km以降はとても難しかった。体を覆う長い服装、グローブで対策をしていてよかった。」と振り返り、「この優勝が弾みになる。次のロンドンとボストンに自信を持って臨める。」と笑みを浮かべた。
日本勢は中山和美が5位、喜納翼は序盤で途中棄権した。