*オリジナルのリリースの正式言語は英語であり、この内容及び解釈については英語が優先となります。
マラソンレビュー:キプチョゲが世界記録を大幅更新
エリウド・キプチョゲが、2018年ベルリンマラソンにおいて2:01:39というタイムで世界記録を大幅に更新し、最も素晴らしい選手としての地位を確固たるものとしました。
AbbottWMMシリーズチャンピオンの座に3度輝いているケニアのキプチョゲは、ベルリンのディフェンディングチャンピオンでもありました。3人のペースメーカーとともに揺るぎないペースでスタートし、中間地点を、目標タイムの61:00からわずかに遅れた61:06で通過しました。
オリンピックチャンピオンは25km地点手前で2人のペースメーカーを失い、終盤17kmを走りましたが、ペースメーカーが欠けても彼のペースが落ちることはなく、勢いよく前進し、25km, 30km, 35kmと、同じケニアのデニス・キメットが2014年のベルリンで2:02:57を出したペースに遅れることなく走り続けました。実際、30km-35kmのスプリットタイムは、レース全体で最も速い5kmとなりました。
ブランデンブルク門を視界に捉える頃には、33歳の彼が新たな歴史を刻むことを止めるものはもう何もありませんでした。彼は大歓声に包まれながら、誰もが知るランドマークを通過し、最後のストレートに入って来ました。
ベルリンでのキメットの記録を破る挑戦に2度失敗していたため、フィニッシュテープを切ったキプチョゲに高揚感がみなぎりました。
キプチョゲは後に、「世界記録を更新できたことに、とても感謝しているし、嬉しく思います。1度目、2度目の挑戦は失敗していますので、3度目の正直です!皆さんありがとう。」とコメントしました。
キプチョゲが縮めた記録は今後、超人的な努力が無ければ破ることはできないでしょう。彼に最も近づいたライバルとなった2位のアモス・キプルトにさえ、5分弱の差をつけていることからもキプチョゲの、"地球上で最も優れたマラソナー"という立ち位置に挑戦できるランナーはすぐには現れないでしょう。
2013年にベルリンで世界記録を樹立したウィルソン・キプサングは、2:06:48で3位となり、レース後、「私たちがキプチョゲのペースで走ろうとしたら、おそらく完走はできないだろう。」とコメントしました。
キプチョゲは、今まで出場したAbbottWMM大会において、1大会を除き全て優勝しています。彼は今回の優勝で、AbbottWMMでの男子最多優勝記録を8回に増やしただけでなく、AbbottWMM発足前も含めた6大会における優勝回数でも、ビル・ロジャースが持つ8回という最多記録(1975年から1980年にかけ、ボストンとニューヨークシティで4回ずつ優勝)に並びました。
女子ではグラディス・チェロノが優勝し、ケニアの男女優勝を実現。チェロノはベルリンでの2年連続優勝を果たし、大会新記録更新も達成したのです。
35歳のチェロノは前半、優勝争いをする男子選手の小さな集団に囲まれながらエチオピアのティルネシュ・ディババがペースをリードする中、後方に付けていました。
しかし、中間地点を過ぎディババがけいれんのため失速すると、チェロノはその瞬間を捉えレースを支配し、ペースメーカーにスピードアップを促し他選手を引き離し、2位のルティ・アガに23秒の差をつけ2:18:11で優勝。ディババは3位となりました。
4位となったケニアのエドナ・キプラガトは、これでAbbottWMM6大会走破となり、フィニッシュでSix Star Finisherメダルを手にし、自身の素晴らしいメダルコレクションに新たな宝物を加えました。
キプチョゲがその前に示した功績に加え、トップ3位の女子は全て2:19:00を切る走りを見せたことは、BMWベルリンマラソンのコースがいかに高速コースであるかを立証しています。
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車いすマラソンレビュー:シャーが世界を席巻
マニュエラ・シャーは、BMWベルリンマラソンでの世界記録更新により、歴史にその名を刻みました。
AbbottWMMシリーズのディフェンディングチャンピオンであるシャーは、世界新記録となる1:36:53を記録し、4度目のベルリンタイトルを獲得し、新シーズンの戦いで好調な滑り出しをしました。
シャーはまた、車いすシリーズの新たな取り組みであるボーナスポイントを獲得した初めての選手となりました。スイスのスターであるシャーは、ボーナスポイント勝負の38km地点までに完全にライバルを引き離し、8ポイントを獲得しました。
レース前半は、シャーとアメリカのスザンナ・スカロニとの一騎打ちでした。イリノイ大学のスカロニは、チューリッヒから離れたノットヴィルに夏の間滞在し、シャーと共にトレーニングしていました。前半の13.1マイルまでは、シャーが巧妙な駆け引きをしているようでした。
しかし33歳のシャーは後半でスピードを上げ、25キロ地点までには明らかな差を付けていました。車いすのスピードメーターを使わずに自身の直感を信じてレースをすること好むシャーは、今回もその直感を信じて正解でした。
シャーが誰も寄せつけずにグランデンブルグ門を駆け抜けるお馴染みの光景は、夏の間、トラック競技での数々の記録更新、そして厳しいトレーニングを行ったことが報われたことを証明していました。
「優勝と共にシリーズXIIをスタートさせることができたことは、私にとって非常に重要なことでした。少しナーバスになり、プレッシャーも感じていました。優勝することで気持ちを安定させ、シカゴとニューヨークに臨みたいと思っていたので、とても嬉しいです。」と、シャーは答えました。
1:41:44で2位となったスカロニは16ポイントを獲得し、AbbottWMMの6大会を全て完走してSix Starメダルも獲得しました。シャーと同じスイスのサンドラ・グラフは3位という結果でした。
スカロニの練習仲間であり、レースウィーク中のトレーニングで不運に見舞われたアメリカのタチアナ・マクファーデンは、シリーズXIの車いす男子チャンピオンのマルセル・フグに車いすを貸りてレースに出場し9位に終わりましたが、Six Starメダルを獲得しました。
フグのこの寛大さは、今まで4回優勝しているこのベルリンでの優勝として報われることはありませんでした。フグはマラソン経験の浅いカナダのBrent Lakatosに敗れました。
わずか3度目のマラソンであるLakatosは、38km地点でのボーナスポイントも獲得、その後もパワーは尽きることなく、スイスのスターであるフグを3秒差で2位に退け1:29:41で優勝し、実力を十分に見せつけました。4度パラリンピックに出場しているLakatosは、トラック競技で数えきれないほど記録を更新し、多くのメダルを獲得してきていますが、AbbottWMMシリーズXII初戦での優勝により、今後はマラソン競技に焦点を合わせることになりそうです。
「私はこれからもっと多くのマラソンに出場します。スプリント勝負の導入は、男子レースをより刺激的なものとしました。選手はスプリント勝負の場所と獲得できるポイントを分かっていたので、攻撃したり、ポジション争いが繰り広げられました。レースの中のミニレースのようで面白かったです!」とLakatosは答えました。
イギリスのジョンボーイ・スミスは、フグと同じ1:29:44で3位でした。
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