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AbbottWMM -2018ボストンマラソン 大会後レビュー

2018年4月19日

*オリジナルのリリースの正式言語は英語であり、この内容及び解釈については英語が優先となります。

マラソンレースレビュー:リンデンが雨の中で圧勝

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デジレー・リンデンがボストンマラソンで、アメリカ人女子選手として33年振りの優勝を飾りました。

今年122回目を迎えたボストンマラソン。世界で最も長い歴史を持つこの42.195kmレースで、ミシガン州出身のリンデンが、横殴りの大雨の中、大番狂わせの勝利を挙げました。この優勝でリンデンは、アボット・ワールドマラソンメジャーズシリーズXIのリーダーボード4位タイへと浮上しました。
冷たい風と雨に見舞われ、ほとんどの選手がジャケットやキャップを着用したまま走り続けるような悪天候の中で、リンデンの優勝は想定外のものでした。

34歳のリンデンは、13マイルを過ぎた地点では、エチオピアのマミトゥ・ダスカに続く集団の一人でした。21マイル地点で失速したダスカを追い、リンデンより先を行っていたのがケニアのSarah Chesirでしたが、ダスカを先に追い抜いたChesirよりもタフで速い走りを見せたリンデンが、Chesirも抜き去り歴史的な勝利を挙げました。
リンデンの勝利により、シャレーン・フラナガンとエドナ・キプラガトのシリーズXIタイトル獲得の望みは消え、ロンドンでの4選手の激戦へともつれこむこととなりました。昨年のロンドンマラソン優勝者であるメアリー・ケイタニー、2017年のシカゴマラソン優勝者であるティルネシュ・ディババ、2017年ベルリンマラソン優勝者のグラディス・チェロノ、世界チャンピオンのローズ・チェリモの4選手は、優勝し25ポイントを獲得すれば、シリーズタイトルを獲得できます。

男子レースでは、2017年ボストン優勝者のジョフリー・キルイが圧倒的なリードでトップを走り、23マイル地点までは彼の圧勝に見えました。
しかしそこから、世界チャンピオンの歯車が狂い始めました。キルイに果敢に挑んだ川内優輝がキルイを抜き去り、そのままずぶ濡れのボイルストンストリートで優勝を収めたのです。

31歳の日本人選手は、マラソン26大会を2時間11分台で完走するという記録を含め、多くの世界記録を保持することで有名であり、また、30のマラソン大会で優勝しています。埼玉県から来た市民一般ランナーは、猛烈なスピードでホプキントンから走り出し、最初の1マイルを4分57秒で駆け抜け、他のライバルを圧倒しました。

川内が大きな集団に飲み込まれた時、彼が主役の瞬間はそこで終わったかのように見えました。そして、ランナー達が中間地点を過ぎた時、キルイが決定的な動きを見せました。
キャップやジャケットを脱ぐことすらせずに、キルイは他の選手を引き離し、レースは彼の独壇場かと思われましたが、彼の脚は限界に来ていました。その後ろから、天候を気にすることなく果敢に挑み続けた川内が、力強い走りで現れたのです。
川内に追い抜かれてもキルイは何もできず、川内はそのまま2:15:58というタイムで最も想定外の優勝を収めました。
キルイは2位に終わりましたが、この結果により、アボット・ワールドマラソンメジャーズシリーズXIにおいて41ポイント獲得となり、リーダーボードトップに躍り出ました。ただ、来週末のロンドン出場予定選手は強豪揃いで、彼のトップの座は、長続きはしないでしょう。

ロンドンで2度優勝しているエリウド・キプチョゲか、昨年優勝のダニエル・ワンジルのいずれかが優勝すれば、シリーズXIのタイトルを獲得することになります。彼らが優勝を逃し2位となれば、キルイと同ポイントとなります。
グエ・アドラとケネニサ・ベケレも出場予定です。アドラはベルリンでキプチョゲに次ぐ2位、ベケレはロンドンでワンジルに次ぐ2位でした。
この両者が優勝した場合にも、キルイと同点トップになります。

来週末、ロンドンのザ・マルへと向けて繰り広げられる戦いからも目が離せません。

原文はこちら

車いすマラソンレースレビュー:マクファーデン、悪天候での大躍進

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タチアナ・マクファーデンがボストンでの見事な復活劇により、アボット・ワールドマラソンメジャーズにおいて22勝目を挙げました。

2017年のボストンマラソン前に血栓の手術を受けたマクファーデンは、スイスのライバルであるマニュエラ・シャーへの雪辱を果たすためボストンに戻ってきました。
今シリーズ首位のシャーは、6マイル(約9.6km)地点までは、誰も寄せ付けないほどのリードを保ち、過去圧勝したレースのような結末を迎えるように思われました。

しかし、気候条件がその強さに味方をしたのか、アメリカのマクファーデンが11マイル(約17.6km)地点でシャーを捉えて抜き去り、シャーはそれに反応することができませんでした。
同じイリノイ大学出身のアマンダ・マグロリーを欠場に追い込んだほどの土砂降りの雨の中、マクファーデンは突き進み、2:04:39でフィニッシュしました。この優勝タイムが、ボストンに出場した全ての選手が直面した過酷な気候条件を物語っています。
リーダーボード首位のシャーは今回フィニッシュできず、マクファーデンはこの勝利でシャーとのポイント差を縮めたものの、残すところあと1レースとなったシリーズでシャーに追い付くことはできませんでした。

男子レースでは、リーダーボードで圧倒的首位に立つマルセル・フグが、残り6マイル(約9.6km)でボストン10回優勝のエルンスト・バンダイクを大きく引き離し優勝しました。
二人は20マイル(約32km)地点まで抜きつ抜かれつの攻防を繰り広げ、昨年同様のスプリントフィニッシュにもつれこむかと思われましたが、20マイル地点でのシルバーブレット(フグの愛称)のスパートにバンダイクはついていくことができず、フグがそのまま4年連続優勝を収めました。

フグとシャーは、依然としてAbbottWMMシリーズXIの首位に立っており、シリーズ最終戦となる来週末のロンドンで遂に、シリーズタイトルという栄冠を手にすることになります。

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*オリジナルのリリースの正式言語は英語であり、この内容及び解釈については英語が優先となります。

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