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ニューヨークにおいて、AbbottWMMチャンピオンのケイタニーが優勝、ゲブレスラシエは今期(シリーズX)で初優勝
車いすシリーズではシリーズ首位のフグとマクファーデンが圧倒的強さを見せつけた
アボット・ワールドマラソンメジャーズ現チャンピオンであるメアリー・ケイタニーが圧倒的な勝利でニューヨークシティマラソン3連覇を果たしました。一方男子では、世界チャンピオンのギルメイ・ゲブレスラシエが優勝し、両者ともにアボット・ワールドマラソンメジャーズ シリーズXのリーダーボードで3位に浮上しました。
シリーズIXチャンピオンのケイタニーは、レース後半で集団を引き離し独走、2:24:26で優勝し、女子としては1980年のグレテ・ワイツ以来となる、ニューヨークシティマラソンにおける3連覇を達成。シリーズXで初のポイントとなる25ポイントを獲得しました。
ゲブレスラシエは、20マイル(約32km)地点でライバル2人を引き離し2:07:51でフィニッシュ、シリーズXにおける初の優勝を収めました。4月のロンドンマラソンと8月のリオオリンピックで4位となっていた20歳のエリトリア人選手は、シリーズXでの合計ポイントが29ポイントとなり、1位のエリウド・キプチョゲ(50ポイント)、2位のケネニサ・ベケレ(34ポイント)に続く3位に浮上しました。
ロンドンで9位に終わり、リオオリンピック代表に選ばれずに終わったケイタニーも、女子リーダーボードで3位に浮上しました。シリーズ大会も残すところあと2大会となった今、34歳のケイタニーがエチオピアのアベル・ケベデ、アツェデ・バイッサと同点の3位となりましたが、同じケニアのジェミマ・スムゴングとフローレンス・キプラガトがそれぞれ1位(50ポイント)と2位(34ポイント)となっています。
よく晴れて爽やかな風の吹くニューヨークで、男子レース前半を引っ張ったのはアメリカのデイゼン・リツェンハインでした。大きな先頭集団を、5kmを15分17秒、10kmを30分38秒のペースでリードします。その時点で昨年チャンピオンのスタンリー・ビウォットが先頭集団から脱落、15km時点で棄権という結果になり、タイトル防衛の夢は序盤でついえました。
20km地点まで12選手だった先頭集団をエチオピアのレリサ・デシサが引き離し、ゲブレスラシエとルーカス・ロティッチのみが付いて行く展開に。中間地点を64分22秒で通過した3選手でしたが、直後に、ゲブレスラシエが自信に満ちた足取りで他の2選手との差を広げて行き、4分30秒ペースで1番街へと進んで行きました。苦しむライバルたちを横目に軽快な走りを見せる世界チャンピオンは、最終的に20マイル(約32km)地点でデシサ、ロティッチを順々に引き離し、勝利へ向けて駆け抜けました。力強いストライドで、2位と1分以上の差を付け優勝。ロティッチが2:08:53で2位、アメリカのアブディヘイケム・アブディラマンが2:11:23で3位となりました。
女子レースの前半をリードしたのはアセレフェチュ・メルギアで、5kmを18分40秒、10kmを35分49秒で通過。ケイタニーを含む15人の大先頭集団が数秒差で後を追う展開となりました。ほどなくしてブズネシュ・ディバが仕掛け、集団は8人になりました。ディバは金曜夜に食中毒で病院搬送となるトラブルを乗り越えての出場でした。しかし予想通り、ディバはほどなく失速。10マイル(約16km)地点でケイタニー、メルギア、ジョイス・チェプキルイが飛び出し、アメリカのモリー・ハドルが必死に食らいつきました。そして、ケイタニーが先頭でチェプキルイとともに中間地点を1:12:38で通過、45秒差でメルギアが追いかける展開となりました。
その後も小柄なケニア選手はペースを落とすことなく、後半レースを完全に支配し、ライバルたちとの差を広げて行きました。25km地点までに差は30秒に広がっており、マンハッタンとブロンクスを独走、セントラルパークで1位フィニッシュし、母親、夫、2人の子供と抱き合い、勝利を祝福しました。疲れが出たチェプキルイは後半4位へ後退。サリー・キピエゴが2:28:01で2位に、鮮烈なマラソンデビューを遂げたアメリカのハドルが2:28:13で3位に入りました。
車いすレース
マルセル・フグとタチアナ・マクファーデンが優勝し、シリーズ首位の2選手が圧倒的強さを見せつけた一日となりました。
フグは先月のシカゴマラソンでの優勝で、シリーズXのタイトル獲得を既に確実なものとしていますが、「シルバーブレット」(銀の弾丸)と呼ばれる彼は、長年のライバル、クート・フェンリーとの厳しい戦いを1秒差で制し無敗記録を伸ばしました。フグは、2016年ボストン、ロンドン、リオパラリンピック、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティの6大会全てで優勝しています。
フグはスタートから積極的なレースを展開。5km地点で既にエルンスト・バンダイク(南アフリカ)を45秒差でリードし、10km地点でその差は1分14秒差に広がっていました。しかしフェンリー(オーストラリア)がその差をすぐに巻き返し、中間地点までにライバルに追い付き、30km地点で先頭に立ちました。2人は、2ヶ月前のパラリンピックと同様、他の選手を引き離し、一騎打ちとなりました。
セントラルパーク内をフグが先頭で進み、すぐ後に続くフェンリーも逆転の準備はできているように見えました。しかし、最終数メートルでフグが優勢に立ち、スイスのスターはそのまま1:35:48でフィニッシュしました。フェンリーがフグに次ぐ2位に入り(シリーズXで4回目)、アメリカのジョシュア・ジョージがバンダイクをかわしトップと4分19秒差の3位に入りました。
無敵のフグはリーダーボードでトップ(最高点の125点)を維持し、フェンリーは16ポイントを追加し計73ポイントで2位となり、3位のバンダイクとの差を広げる結果となりました。
マクファーデンの戦いは男子ほど厳しくなく、シリーズリーダーボードで18ポイント差となっていたライバルのマニュエラ・シャーに、1分30秒以上の差を付けて優勝しました。
10km地点ではスイスのシャーが4人の先頭集団を引っ張っており、マクファーデンは同国アメリカのSusannah Scaroniとアマンダ・マグロリーと並走しながらチャンスを伺っていました。しかしチャンピオンは、中間地点までには他の選手と6秒差をつけ、シャーの粘りが限界を迎えたところから、完全なる独走態勢に入りました。マクファーデンは1:47:43でフィニッシュし、5回目のニューヨーク優勝(うち4回連続)を収め、ロンドン、ボストン、シカゴ、ニューヨーク全優勝というグランドスラムを4回連続で達成しました。
ベルリンマラソン優勝者であるシャーは、1:49:28で2位に終わり、シリーズXのポイントとしては16ポイントを加算、計89ポイントでリーダーボード2位につけ、シリーズも残り2大会の今、マクファーデンと27ポイント差となっています。マグロリーは3位となり、シリーズリーダーボードでも3位(32ポイント)となりました。
日本人エリート選手の結果は下記の通り:
男子マラソン
4位 山本 浩之(コニカミノルタ) 2:11:49
男子車いすマラソン
11位 西田 宗城(バカラ パシフィック) 1:45:37
14位 副島 正純(ソシオSOEJIMA) 1:47:53
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