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フグとマクファーデンが車いすレースで再び勝利
10月9日に開催されたBank of Americaシカゴマラソンで、スイスのスター選手マルセル・フグが、アボット・ワールドマラソンメジャーズ(AbbottWMM)初の車いすシリーズ優勝に王手をかけ、女子車いすシリーズでも、タチアナ・マクファーデンがその強さを見せつけました。マラソンのエリートレースはケニア勢が上位を独占しました。
かつて世界選手権2連覇を成し遂げているアベル・キルイは、戦術的なレースを制してディフェンディングチャンピオンのディクソン・チュンバを3秒差で下し、優勝を手にしました。フローレンス・キプラガトは、同じくキプラガトという名前のエドナ・キプラガトに約2分もの差をつけて2:21:32で優勝。今回の優勝でフローレンス・キプラガトは、AbbottWMMシリーズ(2006年開始)における最多優勝記録を樹立しました。表彰台は男女ともにケニア勢が独占。男子では、上位5位、女子では上位4位がケニア選手という結果になりました。
キルイが主要大会で優勝を収めたのは2011年の世界選手権が最後となっていましたが、コロンバスドライブで2:11:23というタイムでフィニッシュし、5年振りに優勝を手にしました。昨年2月の東京マラソンで惜しくもシリーズIXタイトルを逃したチュンバでしたが、今回のシリーズではシカゴでの2位が初のシリーズポイントとなりました。ギデオン・キプケテルは 2:12:20で3位となり、同じケニアのPaul Lonyangataとステファン・サンブが続きました。
キプラガトはこの勝利で女子リーダーボードの2位へ浮上。ボストンマラソン覇者のアツェデ・バイッサはトップと7分差の6位に終わり、シリーズポイントの獲得はなりませんでした。ロンドンマラソンで3位となっていたキプラガトは、計34ポイントとなり、現在シリーズトップのジェミマ・スムゴングとの差を16ポイントに縮めました。
フグは、最大のライバルでありシカゴのディフェンディングチャンピオンであるクート・フェンリーを下し、男子車いすシリーズでの圧倒的強さを見せつけました。今シリーズにおいては5戦5勝で総合ポイントは最高得点となり、リーダーボードトップの座を揺るぎないものにしました。オーストラリアのフェンリーと1秒差の1:32:57で優勝したフグは、25ポイントを獲得し、5大会の総合ポイントはシリーズ最高ポイントとなる125ポイントになりました。1年間に渡るシリーズは残すところ3大会となり、フグのAbbottWMMシリーズ優勝は確実となりましたが、"シルバーブレット"(銀の弾丸)と称される彼は、全8大会制覇を視野に入れていることでしょう。
ロンドン、リオパラリンピックでもフグに次ぐ2位だったフェンリーは、今回も16ポイントを獲得。終盤まで10選手が絡む熾烈な戦いが繰り広げられ、上位5選手がわずか3秒差でフィニッシュするという混戦となった男子レース。シカゴで4度の優勝に輝いているジョシュア・ジョージは、故郷のレースで3位となりました。パラリンピック銅メダリストのキム・ギュデ(韓国)は4位、アーロン・パイク(アメリカ)が5位に入りました。
男子とは対照的に、女子のレースは序盤からマクファーデンが仕掛け集団を引き離し、マニュエラ・シャーとの一騎打ちとなりました。2人に続くアマンダ・マグロリーが3位となりました。シャーは2週間前のベルリンマラソンで、マクファーデンとの差を9ポイントに縮めていましたが、マクファーデンのシリーズタイトル獲得へ向けた意志は揺らぐことなく、得意のラストスパートで優勝(1:42:28)しました。
シャーは1秒差で2位となり、マグロリーは更に5分以上遅れて3位でフィニッシュ。サンドラ・グラフとSusannah Scaroniがそれぞれ4位、5位となりポイントを獲得しました。マクファーデンは現在91ポイントを保持し、シャーに18ポイント差をつけており、両者は約1ヶ月後のニューヨークシティマラソンで再び対決します。マグロリーは23ポイントでシリーズリーダーボードで3位につけている中国のZou(鄒)と3ポイント差で4位となっています。
日本人エリート選手の結果は下記の通り:
男子マラソン
7位 深津 卓也(旭化成) 2:13:53
9位 五ヶ谷 宏司(JR東日本ランニングチーム) 2:14:34
男子車いすマラソン
9位 洞ノ上 浩太(Yahoo! JAPAN) 1:33:13
※現AbbottWMMシリーズXリーダーボードはこちら
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