*オリジナルのリリースの正式言語は英語であり、この内容及び解釈については英語が優先となります。
原文はこちら(8月11日リリース)
スムゴング、リオオリンピック・マラソン競技で新たな歴史を作ることを目指す。
アボット・ワールドマラソンメジャーズシリーズが、今週日曜日の現地時間9:30amにリオオリンピック・女子マラソンから再開されます。現在、シリーズⅩのトップに位置しているジェミマ・ジェラガト・スムゴングは今年2度目の優勝によって、ケニアのマラソンに新たな歴史を作ることを目指しています。
スムゴングは今年、Virgin Moneyロンドンマラソンで転倒するも挽回し、前回優勝のティギスト・トゥファを破るという劇的レースで勝利をおさめました。この勝利で、1年間をかけ8大会で競い世界一の男女マラソンランナーを決定するシリーズにおいて、25ポイントを獲得しました。リオで、スムゴングはケニア人初のオリンピック・女子マラソン競技優勝を狙っています。そうすればシリーズⅩリーダーボードにおいて、他の選手を寄せ付けず単独トップになります。優勝するとスムゴングの獲得ポイントは50ポイントとなり、シリーズ優勝の可能性が出てきます。
31歳のスムゴングは昨年の世界選手権北京大会で4位でした。同じケニア代表のヘラー・キプロプとビシリン・ジェプケショと並び、オリンピック優勝候補の一人としてスタートすることになります。キプロプは昨年の世界選手権北京大会で銀メダルを獲得、さらに今年の東京マラソンでは優勝し、シリーズⅨで3位につけました。一方のジェプケショは2016パリマラソンで優勝しています。ケニアの3選手は、ロンドンオリンピック2012チャンピオンとなった同国のティキ・ゲラナに続きチャンピオンになり得る強豪エチオピア人選手3名と闘うことになります。
昨年の世界選手権北京大会優勝のマレ・ディババ、2015ロンドンマラソン優勝のディギスト・トゥファ、そして今年のB.A.A.ボストンマラソン準優勝のティルフィ・ツェガエ、3名全員がメダルを獲得する可能性があります。現在、トゥファとツェガエはシリーズⅩの3位につけており、スムゴングとボストンマラソン優勝者アツェデ・バイサの後方につけています。この二人が日曜日に3位以内に入賞すれば、シリーズリーダーボードのトップに躍り出ます。ディババは、リオオリンピックがシリーズⅩ初レースとなります。26歳のディババは、シリーズⅨの優勝を逃しており、ポイント獲得を狙っています。ディババは4年前のロンドンオリンピックで22位に終わりましたが、世界選手権北京大会でキプロプを僅差で破り優勝し、素晴らしい実力と決定力を証明しました。
記録上はツェガエが今年1月のドバイマラソンで優勝した際の2:19:41という自己ベスト記録が、6選手の中で一番速い記録となるが、オリンピックマラソンは最速の選手が優勝するケースは稀です。そしてリオのグアナバラ湾沿いのループコースは、アフリカ人以外の選手に勝利をもたらす可能性もあります。
アフリカ女子選手は、2009年10月にBank of Americaシカゴマラソン以降開催されたワールド・マラソンメジャーズの40の大会において、毎回優勝しています。2006年にシリーズが始まって以来開催された62レース中、実に49レースで優勝しており、アフリカ女子選手がシリーズを席巻しています。この流れを止めることが出来るかもしれない2選手が、今年のアジアの主要マラソンレースで優勝を収めている、ユニスジェプキルイ・キルワ(名古屋ウィメンズマラソン2016)とローズ・チェリモ(ソウル国際マラソン2016)です。皮肉にも、二人はもともとケニア出身ですが、アジアの国であるバーレーンに国籍を変更したのです。
オリンピックマラソンには各大会それぞれの特色が出ますが、2000年シドニーと2004年アテネで連続優勝した高橋尚子と野口みずきを輩出した日本以上にオリンピックマラソンで素晴らしいレースの歴史を持っている国はありません。またヨーロッパは1984年ロサンゼルスで女子マラソンが初開催されて以来、3人のオリンピックマラソン優勝者を輩出してきた歴史があります。日本のリオでのチャンスは世界選手権モスクワ大会銅メダリストの福士加代子と昨年の世界選手権北京大会7位の伊藤舞に託されています。
ポルトガルもまた1988年ソウルで優勝したロザ・モタに続く歴史を持っており、リオのメダル圏内に割って入る可能性のある3名のランナー、ジェシカ・アウグスト、アナドゥルス・フェリックスそしてサラ・モレイラがいます。39歳のエレナ・プロコプツカもヨーロッパ人選手として注目です。ラトビア出身のベテラン、プロコプツカは4月のボストンマラソンで4位入賞し、シリーズⅩで7位につけています。ベラルーシ出身のボルハ・マズロナクもまた、ロンドンマラソンで4位入賞し、4ポイント獲得しています。マズロナクもベラルーシのためにメダル獲得を狙っています。クリステル・ドネはフランス唯一のマラソンランナーです。ドネはチューリッヒの厳しいコースで2014年ヨーロッパ選手権優勝をしています。シャレーン・フラナガンは、32年前に初開催されたオリンピック女子マラソンで優勝したジョーン・ベノイトと同様、祖国アメリカのためにメダル獲得を狙います。フラナガンは2008年北京オリンピック10,000ⅿの銅メダリストであり、2010年マラソン競技に転向して以来、ニューヨークとベルリンで3位入賞を果たしています。
80ヶ国170名のランナーがリオオリンピック女子マラソン競技に出場します。優勝者は標準記録を更新することを事実上保証されています。今まで南アメリカで2:30という記録を上回った女子選手はまだ誰もいませんが(チリ・サンチアゴで2:30:52を記録)、たとえ戦術的なレースにおいても、この壁は破られることになるでしょう。
オリンピック記録は2012年ロンドンでティキ・ゲラナ(エチオピア)が樹立した2:23:07です。
オリンピック男子マラソン競技は8月21日(日)です。
AbbottWMM ページ(原文)はこちら