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東京マラソン2025 に関わるすべての方へのご案内です。
1 | 種 目 | マラソン(エリート) |
2 | 公 認 | ワールドアスレティックス |
3 | コ ― ス | 東京マラソンコース(日本陸上競技連盟・ワールドアスレティックス /AIMS公認コース) 東京都庁~水道橋~上野広小路~神田~日本橋~浅草雷門~両国~門前仲町~銀座~田町~日比谷~ 東京駅前・行幸通り |
4 | 参加人数 | 男女計 150 人 |
レースディレクター 大嶋 康弘
このたびは大会開催にあたりまして、ご尽力をいただいた方々に厚く御礼申し上げます。
昨年、早野忠昭理事長からレースディレクターを引き継ぎまして、重責を拝命いたしました。いずれはこの東京のコースで世界記録が出るようなレースを実現できればと強く思っております。また、高速化するだけでなく、日本の選手たちのパフォーマンスを高め、目標を達成していただくためのペースメイキングをサポートしていければと考えております。
東京マラソンは今大会が第18回大会となり、2027年に第20回大会を迎えます。また、昨夏パリ2024オリンピックも終わり、各国の選手は次の4年に向けて、新たなサイクルに入ります。今大会が新たなスタートとなり、第20回大会の布石になるような意味を込めまして、東京マラソン2025の選手を招聘いたしました。
まずは男子です。昨年優勝者のベンソン・キプルト選手(ケニア)が2連覇を狙い、再び東京にやってきます。前回大会では序盤からハイペースで刻み、日本国内最高記録となる2時間02分16秒で制し、その後、パリ2024オリンピックでは3位に入りました。ディフェンディングチャンピオンに対抗する注目選手はジョシュア・チェプテゲイ選手(ウガンダ)です。説明の必要はないかもしれませんが、5000mと10000mの世界記録保持者であり、東京2020オリンピックの5000m、パリ2024オリンピックの10000m金メダリストです。2023年12月、バレンシアでマラソンの適性を図るため、42.195kmを走ったことがありますが、今回の東京マラソンが本格的なマラソンのレースとなり、事実上の「デビュー戦」と申し上げてもいいのではないでしょうか。2時間02分00秒を切るようなレースを目指したいと聞いており、どのような走りを見せてくれるのか、興味が尽きません。
2時間02分台の自己記録を持つ、デレサ・ゲレタ選手(エチオピア)も楽しみです。昨年12月のバレンシアマラソンで2時間02分38秒の2位に入っており、とても期待ができる選手です。
また、昨年3位のヴィンセント・キプケモイ選手(ケニア)、東京マラソン2023で4位入賞のタイタス・キプルト選手(ケニア)はこのコースをよく知っており、好記録の期待をしています。
ペースメイクに関しましては、トップグループは2時間02分00秒を切るペースで進んでいくのではないでしょうか。次のグループは2時間03分00秒から04分00秒を狙い、3番手のグループは東京2025世界陸上のマラソン代表を目指す日本勢が、2時間05分台、あるいは2時間04分56秒の日本記録更新を目指す設定になるのではと考えています。
日本勢はパリ2024オリンピックで6位入賞を果たした赤﨑暁選手(九電工)、ベルリンマラソン2024で日本歴代2位となる2時間05分12秒と素晴らしいタイムをマークした池田耀平選手(Kao)、2大会連続のオリンピック日本代表で経験豊富な大迫傑選手(Nike)が参加します。まずは日本記録を目指すレース展開になるのではないでしょうか。天候などコンディションが良ければ2時間05分00秒を切って、04分台の中盤あるいは、前半を期待したいと思います。また日本勢が2時間03分台を目指す2番手グループについていく、もしくは少しでも差を縮めていく選手が出てくることを楽しみにしております。
そのほか、初マラソンの選手もいます。箱根駅伝で快走した太田蒼生選手(青山学院大学)、パリ2024オリンピックの10000mで5位入賞を果たしたケニア出身のベナード・コエチ選手(九電工)はどのような走りを見せてくれるのでしょうか。
今大会は、女子の戦いも目が離せません。昨年の大会で日本国内最高記録となる2時間15分55秒でフィニッシュしたストゥメ・アセファ・ケベデ選手(エチオピア)、2023大会を制したローズマリー・ワンジル選手(ケニア)、そして、2021大会覇者で元世界記録保持者のブリジット・コスゲイ選手(ケニア)、直近3大会の優勝者がそろって出場します。東京のコースをよく把握していますので素晴らしいレースを期待したいと思います。
優勝経験者の3選手に加えて、昨年のベルリンマラソンを制したティギスト・ケテマ選手(エチオピア)、フランクフルトマラソン覇者のハウィ・フェイサ選手(エチオピア)らがレースを引っ張っていくのではないでしょうか。
昨今の女子世界記録は2023年に従来の記録を2分以上更新する2時間11分53秒をマークしたかと思えば、昨年は2時間09分56秒と驚異的な記録で進化をし続けています。どのような選手が上位に来て、誰がリードをしていくのか、少し見えないところもあります。
ペースメイクは、トップが2時間15分00秒を目指すような想定で、続いて2時間17分00秒から18分00秒のペース、3番手のグループは日本勢が東京2025世界陸上を意識する2時間20分00秒を切るペースを想定しています。もし、選手側から世界記録を狙う要望がありましたら、2時間09分台の超高速ペースを設定する用意があることを申し上げておきます。
日本勢は、ベルリンマラソン2024で2時間20分31秒の素晴らしいタイムでフィニッシュした細田あい選手(エディオン)、昨年の名古屋ウィメンズマラソン女王の安藤友香選手(しまむら)が参加します。おそらく2時間20分台を意識したペースになると思いますが、少しでも上のグループを追いかけ、追いつく展開になるかと期待を寄せています。
男子は2連覇を狙うキプルト選手とマラソンに挑むチェプテゲイ選手、女子は優勝経験者の3選手を中心に世界基準のレースを展開するでしょう。日本勢は東京2025世界陸上の出場が懸かり、最後までハイレベルな争いを繰り広げていくでしょう。新時代の扉を開けるエキサイティングな東京マラソン2025を存分にお楽しみください。
1969年10月11日生まれ
福井県出身
株式会社ニシ・スポーツ海外事業部担当部長、日本陸上競技連盟事業部部長、公益財団法人日本オリンピック委員会マーケティング委員会委員、日本大学スポーツ科学部競技スポーツ学科教授などを経て、2023年9月、一般財団法人東京マラソン財団アシスタントレースディレクターに就任。2024年4月からレースディレクターを務める。