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東京マラソン2021 マラソンレポート

2022年3月7日

スタート時の天候は晴れ、気温11.3度、湿度29.7%、少し風はありましたが、まずまずの気象条件下で開催されました。

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男子は2時間1分39秒の世界記録を持つエリウド・キプチョゲ(ケニア)が、2時間2分40秒の大会新記録で優勝。圧巻の走りを見せました。昨夏の東京2020オリンピックで金メダルに続く、日本での快走に「本当にハッピー。再び日本に来ることができて嬉しいです。応援してくださった東京の方に感謝しています。」と穏やかな口調で話しました。

キプチョゲはアフリカ勢で形成した先頭集団を引っ張り、最初の10kmを28分37秒のハイペースで刻みました。その後、10km過ぎにコースを誤るアクシデントはありましたが、そのスピードは変わりません。ユニホームがなびくほどの強い風に苦しむ選手がいる中、1km2分54秒前後のラップで刻みます。集団は徐々に減っていき、アモス・キプルト(ケニア)との一騎打ちに。勝負は36km過ぎに訪れます。キプチョゲはキプルトの前に出て、引き離します。「楽しかったから。走ることに対する愛情でみんなを幸せにしたいと思った」とスパートした理由を明かし、キプルトを突き放しました。

これで「アボット・ワールドマラソンメジャーズ」6大会のうち、4大会目の制覇となります。

レース後の記者会見では「我々は一つに団結して、一緒に走って、この世界に平和をもたらしましょう。世界は今、困難な状況にあります。スポーツしかない。団結すれば必ず解決案を見いだせます。一つのチームになりましょう」とスポーツによる平和を訴えかけると、会見場から大きな拍手がわき起こりました。

唯一、キプチョゲに付いて行ったキプルトは自己ベストを17秒上回る、2時間3分13秒で2位に入り、「レースは良かった。ただ、風が強かった。このコースは大好きでパーソナルベストであって、とても嬉しく思う」と充実感を漂わせました。タミラト・トラ(エチオピア)が2時間4分14秒で3位になり、「(アボット・ワールドマラソン)メジャーズでこのような成績を収めたことがない」と喜びに浸り、「今まで海外でいろいろと走ってきた。ただ東京のような所はない。街並みを見ながら走った」と東京の雰囲気を存分に味わいました。

日本記録保持者の鈴木健吾が日本勢トップとなる2時間5分28秒の4位に入りました。「ここまで、あまり状態が良くなかった」と先頭集団には付いていかず、序盤から第2グループをけん引しました。自分のペースで刻んでいき、25kmすぎに仕掛け、第2グループから抜け出しました。「苦しい局面もあったが、一人で押し切れて勝てたのは収穫。」と現状の力を出し切り、納得の表情を浮かべました。日本勢2位には其田健也が2時間7分23秒で全体の7位、湯澤舜が日本勢3番目になり、自己記録を大幅に更新する2時間7分31秒をマークしました。

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女子も世界記録保持者が「グローバルスタンダード」の走りを見せ、ブリジット・コスゲイ(ケニア)が世界歴代3位となる2時間16分2秒の大会記録で初優勝を飾りました。「非常にエキサイティングだった。大会記録を塗り替えることができて嬉しく思いました。」と振り返りました。35kmまでは5km16分10秒台までのラップで走り、35km~40kmは15分48秒と一気にペースを上げ、先頭を争っていたゴティトム・ゲブレシラシエ(エチオピア)を引き離しました。

しかし、コスゲイはもっと好タイムを出せたと思っているようで「(終盤)向かい風になって押される感じになった。それがなければ2時間15分以内で走れたと思う。」と振り返りました。

女子の日本勢は、一山麻緒と新谷仁美が序盤から並走する展開で、終盤となった40km付近で一山が前に出ました。「走っていて、あまり自分がリードした感覚はあまりなかった。前だけ見て走っていました。」と無心の走りで2時間21分2秒の日本勢最高となる6位。13年ぶりのフルマラソンに挑んだ新谷は2時間21分17秒の7位でした。レース後、二人は抱き合い、健闘をたたえ合いました。一山は「最後まで一緒に走ってくれたことが私にとってもこころ強かったし、一緒に走ってくれてありがとうございました、と伝えました。」と感謝しました。

  • 東京地下鉄株式会社