6月26日(土)、‟スポーツの広がり" パラ陸上チャレンジサポート「ガイドランナー講座」をオンライン開催しました!
この教室は、東京マラソン財団スポーツレガシー事業の寄付金を活用しており、2021年度実施プロジェクトの一つ、『パラ陸上チャレンジサポート』として、"体験機会を創出することで魅力を伝え、参加した方が、その後も実際に競技を続けられるようにサポートする"ことを目的に開催しています。
今回は新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑み、オンラインにて「講義のみ」実施しました。
この講習にはスポーツレガシー事業チャリティ・アンバサダーの鹿野淳さんが参加し、その様子をレポートいただきました!
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東京マラソン財団スポーツレガシー事業 チャリティ・アンバサダー
鹿野 淳(しかの あつし)さん/音楽ジャーナリスト
6月26日、2021年度のスポーツレガシー事業の一環として、『パラ陸上チャレンジサポート「ガイドランナー講座」』が行われました。
これは視覚に障害のある方々が行うマラソンである「ブラインドマラソン」の伴走者のことを広く理解してもらうためのものです。それは同時に、多様性が求められる時代的にも、そして開幕間近の東京パラリンピックとのリンクとしても、さらに言えばこのコロナ禍で大きなテーマとなっている「思い合う心、助け合う心」を現実的にどうやって行動で示すか?という講習でもありました。
ちなみにブラインドマラソンは、1988年のソウルパラリンピックで男性の部が、2016年のリオ大会で女性の部が追加された若い種目であるが、今回の講習に158名もの参加者が参加したことは、注目に値すると思います。
今回講師をしていただいたのは、NPO法人日本ブラインドマラソン協会事務局長の原田清生さん。多くの経験や実績から、生身の現場の声が聞ける貴重な機会となりました。
様々なお話がありましたが、ブラインドランナーの伴走者は一緒に走ればいいだけではなく、「黒子として寄り添うこと」、「ルールを守ること」、そして「何よりも共に走ることを楽しむこと」が重要であると感じさせる講習でした。
ランナーが頑張るかどうかを決めるのは伴走者ではなくランナー自身だし、伴走者はあくまでも寄り添う存在でランナーのコーチではないこと。給水のスムーズなやり方や曲がり角や上り降りの声の掛け方、そして危ないことだけではなく、安全なことなども積極的に声をかけて行くことなど、様々な事例を引き合いに出してもらいながら、イメージ豊かな講義を原田さんにしていただきました。
それぞれのランナーの走力に合わせた力は必要ですが、ガイドランナーになるために資格があるわけでもなく、走力だけがあればいいわけでもなく、「視覚に障害がある方々の日常や気持ちをいかにイメージできるか?」が何よりも大事であることがとても伝わりました。
今回の講習であらためて実感したのは、誰もが一人で生きているわけでもなく、一人で生きられるわけでもなく、誰かがいて自分があるということをどういう風に自然と受け止め、前向きな気持ちをもって行動で示していけるか?という当たり前でもある本質的なことだったと思います。
その上で、ガイドランナーという経験は、視覚障害者への理解と共に、アスリートという生き方や考え方への理解という、とても興味深いことも知れると感じました。
今回の東京パラリンピックにおいて、視覚障害競技は「陸上競技」「水泳」「柔道」「トライアスロン」「ローイング(ボート)」「馬術」「ゴールボール」「ブラインドサッカー(5人制)」など多岐に渡ります。
まさにスポーツのレガシーとしても、今後さらに重要なものになってくるであろう障害者競技、そしてブラインドランニングに対しての気持ちと視線をおくることも、アスリートファーストの一つの在り方ではないか?と、今回の講習に参加して感じました。
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参加者の方からは、チャットで「パラマラソンに向けてメモしながら聞いています!」や「パラマラソンのボランティアも頑張ります!」といった、パラリンピックに向けた意気込みの声も多くいただきました。
今回の講義で学んだことを、ぜひ今後のパラスポーツに関わる活動で生かしてください。
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
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